第五回「表現の太陽」目次
1.【大阪・難波にて】
2.【声の世界に魅了される】
3.【アダルトでも困っている人はいる。】
4.【変態の母】
5.【MIYUKIさんって何者?】
6.【東山、初めてのオーダー依頼】
7.【シナリオから作る】
8.【MIYUKIの未来】
9.【母がくれたもの】







【大阪・難波にて】



―東山
どうも初めまして、東山です。今日はご参加頂きましてありがとうございます。それではよろしくお願いします。

―MIYUKI(以下、美雪)
初めまして。よろしくお願いします。

―東山
え〜っと、MIYUKIさんの場合はですね、話せば長くなるんですけど。元々、私が一ユーザーとしてダウンロードショップで作品を購入していた時に、如月むつき先生の『バーチャル版狙われた美人妻』という作品に出会いまして、大変感激したんですね。それと同時に“この声優さんは誰なんだろう?”と思いまして、先生のページからMIYUKIさんの事を知り、ホームページにアクセスさせて頂いたのがきっかけなんですが・・・

―美雪
はい。

―東山
そこで“オーダー録音”っていうのがあるんだと初めて知って。自分でエロ原稿を書き始めることになるんですが、今でこそクリエイティブな世界でのオーダーは増えてきましたけど、その当時は少なかったですよね?

―美雪
そうですね。元々オーダー録音っていうのは私も知らなくて・・・知らなかったというよりも、勝手に作っちゃったという感じでしょうかね

―東山
はい、はい。

―美雪
元々は演劇の世界に行きたくて養成所通ってまして、アナウンスとかアテレコ的なことを学んでたんですけど、その時に“喋るっていうのがこんなに難しいのか!”と感じたんです。映像や絵がない中で、言葉や声で表現するだけっていうのは難しいな〜ぁと思ったんですね。

―東山
ええ。

―美雪
で、元々、演劇の演出・脚本や監督をやりたかったんですけど・・・

―東山
どちらかというと・・・裏方ですよね?

―美雪
はい。ただ、演技を理解した監督になりたかったので、自分でも役者として勉強したかったんです。元々、学生演劇で舞台にも立っていたり、中学の頃から、部長として演出・脚本を手伝ったりもしていたので、そのままそっちの道に進みたいなと思って。高校を出て、すぐに養成所に行くんですけど、養成所に入る前に見学で行ったのも演劇学科だったんですね。

―東山
はい。

―美雪
そしたら、MC科っていう喋り専門の学科がありまして、それじゃあ、こっちのMC科で言葉を勉強した後に演技を勉強したほうがいいだろうということで・・・すごく遠回りなんですけど、MC科に入ることに決めたんですね。

―東山
(笑)要するに、最初は基礎をしっかりやりたくて・・・声は演技の為のものに過ぎなかったんですね?

―美雪
はい。声というのは通り道のつもりだったんです。

―東山
へえ〜。ここが、声優を目指した方と明らかに違うところですね?

―美雪
はい。それが、高校の時だったんです。で、高校を卒業してすぐに養成所に通い、学んでいくと“声の世界って凄いな”と改めて思ったんです。





【声の世界に魅了される】


―東山
基礎としてのつもりが・・・練習として通り過ぎるエリアじゃなかったと?

―美雪
はい。これは基礎として学ぶ世界じゃないなと。声の世界は深いし、難しいし、楽しいし。で、ある意味無限大の世界でもあるなと思いまして。

―東山
うんうん。

―美雪
例えば、今は増えてきているようなんですが、目の見えない方にファッション雑誌を読んであげられないか?とか。絵画を目の見えない方に説明してあげられないか?とか・・・頭の中で絵を描いてもらえるような表現ができたら素晴らしいんじゃないかと思ったんですよ。

―東山
うん。

―美雪
で、その時点ではアダルトなんていうのは頭の中になくて・・・ちょっと今考えるとユーザーの方に失礼なのかもしれないですけどね。当時はボランティアでやるものを将来的にビジネス化できないか?と考えていました。

―東山
へ〜。

―美雪
プロ未満、声優未満の方達で、音声を安く注文できる半ボランティアみたいな・・・録音図書とか音声図書とかあるじゃないですか?

―東山
はい。

―美雪
ああいう感じですね。練習もして、その人たちの育成もして、安くある程度のクオリティのものを提供するという流通を作れないかと思ったんです。

―東山
へ〜。

―美雪
で、自分も勉強して、声を求めてる方に売りたいなと、聞いてもらいたいなというところからだったんですけど・・・ノンアダルトだと少ないんですよね。すでにボランティアさんがいたりとかするので・・・

―東山
はい、はい。

―美雪
求めてる人との出会いも少ないですし、老人ホームとかに行っても“そこまではいらない”ということで、聞いてももらえないんですね。

―東山
それは実際に老人ホームとかに行かれたんですか?

―美雪
はい。職員の方と話をしたり・・・その時は、正社員とか、アルバイトでもいいから働かないといけない状況でもあったので、アルバイトとして面接にいってみたりとか、福祉関係で働いている方に知り合い伝手で話をしてみたりとかしたんですけど、門前払い的な感じでダメだったんです。

―東山
うん。

―美雪
それでどうしようかなと思っていた時に、ネット上で個人販売で色々物を売っている方だとか、アダルトの物を売ってたりする掲示板を見つけまして、“あ、ここなら音声もいけるんじゃないか”と思ったんですよ。(笑)

―東山
はあ、はあ、なるほどね!

―美雪
それで、“登録1分でホームページができる”みたいなところを利用して、ホームページのHTMLとかを学ぶ一方で個人様向けの販売をちょっとずつ始めていきまして。

―東山
うんうん。

―美雪
そうするとアダルトの方からですと少しずつ仕事が出来たので、これを踏み台にノンアダルトの方へ行こうと思ってたんですよ。・・・そうやってやり始めたのが最初ですね。

―東山
それが今のMIYUKI-voice-の原形なわけですね?

―美雪
はい。で、その時に“名称は何て言ったらいいんだろう?”と。オーダーメイドとかオーダースーツとかってありますよね?それじゃあ、オーダー録音だったらシックリくるので、“個人販売でオーダー録音致します”っていうようにしたんですよ。

―東山
はあ、はあ。ちなみに今のMIYUKI- voice の形が出来たのって何年前ぐらいなんですか?

―美雪
何年前でしょうね?・・・多分4〜5年(2003年前後)くらい前かな?

―東山
5年くらい前?はい、はい、はい・・・でも、本当に養成所を卒業してすぐに始められたんですね?

―美雪
そうですね。養成所に通っている時に老人ホームとか回ったりして・・・毎日授業があるわけではなかったので。あの〜、一年で終わりなんですよ養成所が。

―東山
はい。

―美雪
一年目は勉強でいっぱいいっぱいでして、授業のない日は・・・ちょっと母親がいないので、家事と自主練とアルバイトで毎日終わっていくという感じだったんです。

―東山
ふんふん。

―美雪
2年目になると少し余裕が出来まして・・・・もう一度(養成所に)入りなおした形だったので。

―東山
え?一つの課を終了した後にもう一度入った!?

―美雪
はい。コースは一年間で終了なんですけど、卒業後に、今度は入学金なしで好きな単科だけとれるシステムがあったんですね。で、もう一年MCを習おうと思いまして。

―東山
へ〜〜。

―美雪
で、講師の先生は、実際の現場でラジオのDJをなさってる方達なので、舞台で司会をやる時に、門下生のようなかたちで現場に連れて行ってくれるんですね。

―東山
生の現場にね・・・

―美雪
はい。ですから、ラジオ局にお邪魔してみたり、芸能事務所にお邪魔してみたりという感じで・・・芸能関係の方とかと知り合いにもなれますし、色んなものを見聞きして勉強して。で、2年目は気持ち的にも余裕が出来たので、病院にいる子供達に絵本とか読めないかな?とか思ってたんですけど、知り合い伝手でやりたいこと伝えてもなかなか実現が難しかったですね。

―東山
なるほど。

―美雪
そのときから、友達には“私は個人から注文を受けて録音する・・・そういうのをやりたいんだ”って言ってましたんで。まだ、10代の頃だったんですけど。

―東山
いや〜、まさに今されている活動ですよね?凄いな〜。





【アダルトでも困っている人はいる。】


―東山
あの〜、実際に個人向けのオーダー録音を始めて、最初の頃、お客さんの反応はどんな感じでした?

―美雪
最初は、個人販売のサイトから宣伝を始めたんですが、正直、“こんな怪しいの、仕事来ないだろうな”って思ってたんですよ。

―東山
はい、はい。

―美雪
そしたら、“声を録音したものが好き”というお客様がいまして・・・私の一人目のクライアント様なんですけど。その方は、今まで色んな人に注文したけれど、詐欺まがいのことにもあったと・・・

―東山
ほうほう。ネット上でのやり取りですから色々ありますよね。

―美雪
はい。個人で、“女の子がHな声を録音しますよ”みたいな感じだったらしんですけど、商品が届くと男性の声で“バーカ!”と一言入ってて、それに何万円も振り込んでしまったとか。

―東山
はい、はい、はい。

―美雪
もう、詐欺じゃないですか?

―東山
詐欺ですね。

―美雪
あと、遠くの方で“カサカサ・・・”って音がただ30分入ってたとか(笑)。ちゃんとやってもらえても、思ってたのとは全然違ったとか。

―東山
要はMIYUKIさんのように声の専門家として販売しようという人は稀で、小遣い稼ぎでやっている人が多かったんですね。

―美雪
はい。ですから、私に対してもそんなに期待してなかったようなんです。私も、その当時は、ミニコンポにハンドマイクを直接挿して収録していたので、ガサガサ音は入っているし、音も悪かったんですけど・・・結果的に凄く喜んで頂いて!

―東山
ほうほう。

―美雪
もちろん内容はアダルトだったんですけど、“良い!!”と。“定期的にお願いしたい”と。“月額いくら払うから、内容はお任せで収録して欲しい”と言ってくれまして。

―東山
ファンになってくれたんですね。

―美雪
はい。で、2週間に1・2本のペースで4ヶ月ぐらい継続して購入して頂きまして。お客様はその方だけだったので、その間に色々な話を聞くことができたんです。そうしているうちに“アダルトでも困ってる人はいるんだな”って思うようになったんですね。

―東山
うん。

―美雪
それで、アダルトへの見方が変わりまして。今考えると偏見なんですけど、ただHなのが欲しいっていう男性が多いんじゃないかな〜と思っていたんですが・・・

―東山
あの〜、ノンアダルトと18禁の垣根っていうかね、そういうものに対する抵抗ってなかったのかな〜?と思うんですけど、MIYUKIさんの場合は、そのお客さんを通じて見方が変わったんですね?

―美雪
うん。元々、アダルトに対する抵抗はそんなになかったんですよ。ただ、アダルトをこんなに真剣にやろうとも思ってなかったというか・・・

―東山
その当時は目標がまた別にあったわけですもんね?





【変態の母】


―美雪
はい。で、アダルトを本当にやる!って決めたときに、アダルトはどういう世界なのかを、また勉強したんですね!

―東山
へえ〜〜。

―美雪
私、まず学ぼうとするんですよ。(笑)

―東山
学びますね〜〜〜っ!!(笑)

―美雪
はい。(笑)そこで、ちょっと有名なSMの女王様・・・雑誌で紹介されているような伝説の女王様と言われている方とお知り合いの方と色々なお話をさせて頂いたり・・・

―東山
へえ〜。

―美雪
あと、縛りの名手と言われてる団鬼六さんのお弟子さんという方と交流を持ってみたり・・・

―東山
うん。

―美雪
そうこうしているうちに私自身が“変態の母”と呼ばれてみたり・・・。

―東山
ハハハハッ(笑)。

―美雪
(笑)・・・学生時代からどんな話でも真面目に聞くというのを大事にしているんですけど、アダルトでもそのまま取り組んだんですよね。どんなプレイでもその人の趣味なんだから、“うわ〜、信じられない!気持ち悪い!”じゃなくて“そういうのを好きな人がいるんだ!そういう世界があるんだ!!”っていうので全部、真面目に聞いちゃったんですね。

―東山
なるほど。MIYUKIさんはどんなものでも、偏見なく素直に学ぶんですね。

―美雪
はい。“こういう服が好きな人がいる”っていうのと“こういうプレイが好きな人がいる”っていうのが全部同じ捉え方ですよね。

―東山
はあ、はあ。

―美雪
そうしていると、“どんな話でも聞いてくれる”とか “アダルトな内容に対する悩みも聞いてくれる”というので、“変態の世界のお母さんみたいだ!”って言われて(笑)。私・・・その頃、まだ二十歳かそこらへんだったんですけど(笑)。

―東山
へえ〜。

―美雪
年上の人からそうやって一杯言われまして・・・女装趣味のある男性の方で、普通に女性が好きで結婚もしているんですけど、奥さんに言ったら嫌われるから言えないとか。SMが趣味だけど、表立って言えない。親友にも言えないとかで悩んでいるとか・・・

―東山
はいはいはい。

―美雪
そういう話を聞いていると“MIYUKIさんにだけ話せるんです!”ってなっていって。そうすると、私もだんだんアダルトに対する偏見というか、垣根なんてなくなっていくじゃないですか?

―東山
はい、はい。

―美雪
“なんでこの人たちはそんなに差別されなきゃいけないの!?”って思うようになって。困っているんだったら、私が何か出来ないだろうかっていう風に思ったんですよね。そしたら、元々考えていた、“目が見えなくて、オシャレがしたいけど困っている人にファッション雑誌を読んであげられないか?”というような思いと共通になってきたんですね。

―東山
うん。

―美雪
こういう世界が好きで、こうしたいのに現実にはできない。それを声で実現することで、想像の世界でも楽しんでもらえるのであればお手伝いしたいと。ですから、ノンアダルトもアダルトも関係なくなってきたんです。





【MIYUKIさんって何者?】


―東山
なるほど。MIYUKIさんの場合はカテゴリーとして、“声優”というのは何か違う。何かそれに当てはまらない気がするんですよね。それは、“私は声の仕事がしたい!”というよりも、最初は監督だったり、脚本だったりと仕掛ける方から入ってますよね?

―美雪
(笑)そうです。

―東山
今でこそ、ゲームのような“声優”としてのお仕事もやってますけど、ベースはMIYUKI-voice-さんがやっている、個人のニーズに応えて、喜んでもらいたいというものですよね?

―美雪
そうですよね。

―東山
だから、今後もアダルトをメインにということではなくて、声全般に関わるもっと広いスタンスで取り組まれるんですよね?

―美雪
そうですね。妄想する世界というのはアダルトに限らないと思うんですよ。オーダーでは、ノンアダルトも受けていますし、目覚ましに入れる声のお仕事から企業様向けに作るお仕事まで含まれますので、私ができることであれば受けたい。やらせて下さいという感じなんですよね。

―東山
うん。あの、声優を目指す方は、アニメを見て影響を受けたり、声優というものに憧れてなったりという方が多いんですけど、MIYUKIさんの場合は、声優でもなく、ライターでもなく、でも、声の提供をなさっている・・・御本人としては何処に属していると思います。

―美雪
私自身が何か?ってことですか?

―東山
何者なんですかね?

―美雪
ん〜・・・MIYUKI‐voice‐です!?(笑)ハハハッ!

―東山
ハハハハハッ!!(笑)

―美雪
いや、私自身がネット声優というのを知る前に始めてるので・・・

―東山
今でこそね、ネット声優というものが認知され、登録してお仕事ができるようなサイトもありますけど、MIYUKIさんが始められた頃はそういうものがなかったわけですよね?

―美雪
そうですね、最初は探しても探してもそういう場がなくて、“もう無いんだったら自分でやっちゃえ〜!!”っていう感じで始めたので・・・今はいつの間にか、一杯そういう場が提供されてて、今始めた人はいいな〜と思いますね。


―東山
僕でいうと、東山誠BRANDのスタートはMIYUKIさんとの出会いから始まって、今の流れが出来たわけですよ。本当にMIYUKIさんだけで何作も作って。今でこそ、協力してくれる人が増えて、サークルも人が増えて所帯が少し大きくなりましたけど、

―美雪
ええ。

―東山
僕は元々、発想がお笑いだとか音楽だとか舞台の人間なんですね。最初にMIYUKIさんの声を聞いたときに“あ、お上手だな”と思って依頼したんですが、今はキャスティングの仕方も変わって、ネット声優さん、プロ声優さん問わずお願いしている。でも、MIYUKIさんとはトーンが違うじゃないですか?

―美雪
はい。

―東山
アニメチックな誇張というか・・・

―美雪
アニメやゲームの喋り方だったりとか・・・いい意味でそういう世界観がありますからね。

―東山
ええ。MIYUKIさんにそういうものを感じないのは、最初に演劇というのがあったからだと思うんですよ。

―美雪
そうですね・・・私、養成所を出た後に、一度プロダクションに所属していたんですよ。

―東山
はい。

―美雪
何とか声の仕事をしたいということで足がかりが欲しい時期だったので、声優ではなくてテレビドラマや舞台が中心のところだったんですけれど・・・。でも、やはりやりたいことと違うということで辞めてしまって。社長さんには気に入られてたんですけれどね、マネージャーさんと話をしているうちに、“ウチの方向とは違うね”ということで辞めることにしたんですね。

―東山
うん。

―美雪
で、今度、MCのプロダクションから一年半ほど仕事させていただいて・・・その間にアダルトを学んでいたんですけど(笑)。

―東山
へえ〜。

―美雪
その一年半はコミュニケーションの勉強になりましたね。企業向けのテレアポのお仕事が主だったんですけど、そこでは、電話の対応の仕方や、人との会話を勉強させていただいて。

―東山
うん。

―美雪
怖そうな人には、やさしい声で喋ってみたりとか(笑)。

―東山
え?それは、テレアポのアルバイトとして仕事している人もいるわけですよね?MIYUKIさんのようにMCのプロダクションから来ている人だけじゃなくて・・・

―美雪
そうです。私はプロダクションから派遣された形なんですけど、普通のアルバイトの方もいました。

―東山
そういう仕事もあるんや。

―美雪
いえ、たまたま、そのプロダクションの社長さんとテレアポの社長さんが知り合いだったんですよ。で、テレアポの会社が独立するっていう時に、新しい人を育成するまでの間、人員が足りないということで。MCのプロダクションに所属している人だったら・・・

―東山
喋りが上手いだろうと・・・

―美雪
はい。プロに来てほしいということで頼んだそうです。

―東山
へえ〜。そこでも沢山勉強されたんですね。

―美雪
はい。短い間でしたけど、いい経験ができましたね。





【東山、初めてのオーダー依頼】


―東山
僕も最初はMIYUKIさんに恐々(こわごわ)オーダーしたんですね(笑)、ネットを繋ぐのが遅かったので、その辺のオッチャン、オバチャン並みにしか知識がなかった。MIYUKIさんの対応が親切だったので安心できたんですけど・・・

―美雪
(笑)私自身もネットは怖いって思ってたので気持ちはわかります。例えば、ネットで買い物をするとか、何かの予約をするとか、オークションとか・・・やっぱり最初は不安だったんですよ。なので、どうやったら安心しもらえるかな?と。

―東山
はいはい。

―美雪
自分ならどう対応してもらったら安心か?ということを考えましたね。

―東山
なるほどね〜。

―美雪
私のホームページはかなりゴチャゴチャした感じですし、依頼するまでの説明も面倒くさいものにつき合わせているな〜。とは思うんですけど、それでも一つずつ手順を踏んでいくことで、“個人というより企業みたいだね”と言って頂けたり・・・

―東山
何かね、ホームページにある“個人だけれど企業のような安心感で・・・”っていう謳い文句は、僕が最初に依頼する時に凄くキャッチでした。

―美雪
何か、ナーナーで適当でいいじゃないかってとこですと、私なら不安で頼めないなって思ったんですよ。

―東山
うんうん。

―美雪
だから、先に明記する。個別に対応する内容まで全部書いてしまうと長くなりすぎるので、後はメールでお知らせして、全ての相談が終わった上で成約として、そこから準備がスタートする。それまでは、いつ断ってもいいですよ!内容の変更もいいですよ!っていう風にさせてもらっているんですね。

―東山
なるほどね。

―美雪
だから、本当にそうですね・・・企業に頼む時って、個人ほど疑わないじゃないですか?

―東山
うん。

―美雪
その安心感をもってもらえたら嬉しいな〜。と思ってます。

―東山
僕も、最初にオーダーした時にはそうだったんですけれど、自分の性的な嗜好を曝け出すのは恥ずかったりしますよね。他人のMIYUKIさんにお願いして、音声として帰ってくると。

―美雪
はい。

―東山
その時に思ったのが、人間、自分のフェチとか嗜好って、世界で一番卑猥だって思っているんじゃないかと思うんですよ。

―美雪
そうでしょうね〜。(笑)

―東山
比較する基準がないから。・・・で、例えば僕だと、“匂いフェチの女”だったですよね?

―美雪
はい。(笑)

―東山
で、東山誠BRANDの立上げの前に、一作出してみましょうか?ということで、僕のデビュー作『匂いフェチの女』を作るんですけど・・・

―美雪
はい、MIYUKI-voice-で扱わせて頂いている作品ですね。

―東山
はい。オーダーではあれと違うのを書いたんですよね。

―美雪
はい。

―東山
自分にとっては凄く恥ずかしいものなので、MIYUKIさんに“こんな卑猥な内容、受けられません!!”って断られちゃうんじゃないか?“俺ってド変態なんじゃないか!?”って自分自身では思うんですよね。

―美雪
(笑)はい、はい。

―東山
でも、MIYUKIさんからしたら、アダルトについても勉強されてきてますし、百戦錬磨じゃないけど、“あんな人もいる。こんな人もいる”ってわかっているわけですよね?

―美雪
はい。

―東山
しかし、こちらからしたら女性に原稿を渡すってこともありますし、拒絶されちゃうんじゃないかって不安なものなんですよね。で、結果的には満足するものを作って頂けて“ああ、プロだな〜”って思ったんですけど・・・ちなみに今までどれくらいの本数をこなしてきたんですか?オーダーに限ってでもいいですけど。

―美雪
本数ですか・・・オーダーに限っていうと750〜800位ですかね?(対談当時)一本が短いものから長いものもありますけど・・・ただ、“これだけやりました!”って言えるほど実力が伴ってないですし・・・先ほど東山さんが仰りましたけど、私が何本録っていようが、初めての方からしたら初めての一本なんですよね。なので、毎回、緊張しますし、収録するときの怖さや不安は何本こなしてきても変わらないですね。

―東山
そうですよね。毎回違うもの、違うお客さんにつくる作品ですから、慣れはないですよね。

―美雪
はい。本当に怖いですよね(笑)。あと、活動を始めた頃はカウントもしてなかったんですけど、今はどなたに、いつ、何本送ったかとか、内容も全部残してあるんですね。

―東山
ええ。

―美雪
それは、1・2年とか、間をおいて連絡してくれた方のことを覚えておきたいなと思って。また一からやり取りが始まるのも申し訳ないなと思うし、もちろん打ち合わせは一からしますけど、覚えてくれてたら自分だったら嬉しいなと思うので。

―東山
なるほど。・・・でも、活動5年間で750〜800本ですか?そうすると、一年で150〜160録ってることになるんですよね。

―美雪
そうですね。それプラス自分のダウンロード作品と、カウントされないものやしてなかったものの他は、東山さんのようにサークル様の作品ですかね・・・

―東山
そうすると、ほとんどの毎日収録してますね。(笑)

―美雪
嬉しいことにさせてもらってますね。





【シナリオから作る】


―東山
それだけの本数を一定のクオリティを保ってやり続けるのって大変だと思うんです。MIYUKIさんの場合はどういう風に作業なさるんですか?例えば、台本が届きますよね、そこから読み込んでいくと思うんですけど・・・

―美雪
私の場合台本がないときもあるんですよ・・・

―東山
はあ、はあ、はあ。

―美雪
オーダーの場合ですと希望から作って欲しいっていうものもありますので。

―東山
あ、なるほど。

―美雪
例えば、A、B、C、D、Eの5つのシーンを入れて、淫語はこれとこれでお願いします。・・・男性器の言い方でもこれは嫌です。とか。女性器の言い方はこれでお願いします、とか。普段は聞きなれない言葉ですけど、これが興奮するのでこれを使って下さいとか。

―東山
はいはい。

―美雪
内容が決まると、じゃあ、何分の収録にしますか?という風に、時間も含めて必要な事を決めていきます。成約したら、打ち合わせや事を基にタイムテーブルを作ったり原稿を書いていきます。で、全て整ってから収録ですよね。

―東山
そうですね。MIYUKIさんが書く場合もあるんですよね。割合としてはどうなんですか?台本が最初からある依頼と、ない依頼だと。

―美雪
シナリオがあるかないかでいうと、半々ですかね。

―東山
半々ですか!半分の台本がない!?

―美雪
そうですね。最近はシナリオがある場合が増えてきたんですけれど、以前は8割方なかったんですよ。

―東山
へえ〜。

―美雪
シナリオがあると“ああ!シナリオだっ!”みたいな・・・(笑)

―東山
でも、台本も書いて、収録もするなんて恐ろしい作業量ですよね!

―美雪
あ、全部が全部そうではないんですよ。台本を書いてきた上で“手直しして下さい”という方もありますし・・・。

―東山
なるほど。でも、そこはね、元々監督とか脚本をやりたかったMIYUKIさんが活きる部分でもありますね。

―美雪
そうですね。養成所の勉強なんかでも、自分で文章を作ってその場でアドリブで演じるような内容が結構多かったので・・・

―東山
へえ〜。

―美雪
MIYUKI-voice-からダウンロードショップで販売させて頂いている作品は、基本的に私が作っているんですが、それを聞いた方が“あの作品のような感じがいい”とか“イメージだけしかないんですけれど、お願いしたいんです”という場合もありますし、意外性が欲しいから、“自分は細かい内容を知らない方がいいから任せたい”、反対に“内容を先に知りたいから原稿を書いて欲しいんだ””という場合ですとか。本当にケースバイケースですよね。

―東山
なるほど〜。

―美雪
逆に言うと、“何でもいいから(Hなものを)録って下さい”という方はお断りさせて頂いているんですよ。それは、一人ひとり基準が違いますし、それこそスカトロ系で興奮する方から、純愛系が興奮する方から・・・

―東山
うん。

―美雪
その方の“Hなもの”っていう基準が分からないんで、録れないんですよね。

―東山
うん、うん、うん。

―美雪
で、シナリオを書いてきた方でも、プロの方ではないので、例えば、文語体と口語体じゃないですけれど、文章になっちゃっている方が結構いるんですよ。

―東山
朗読みたいな感じね。

―美雪
はい。あと、普通の会話で使わない言葉が一杯入っていたりとか、多いのが接続詞が抜けている方。私もよく抜いちゃうんですけど(笑)・・・。そういう場合は“こちらで補足していいですか?”と提案させて頂いたり、あと、シナリオを下さる方には“収録の際は、アドリブとか変更とか入りますけどいいですか?”と必ず了承頂いてから収録に入るんですね。

―東山
ええ。

―美雪
それは、キャラクターと自分がシンクロした上で録らせて頂いているので、自分の中に産まれたキャラクターが勝手に動いて、勝手に喋っているような感じで収録しちゃうからなんですよ。

―東山
なるほど。

―美雪
例えば・・・“私はあなたが好きです!抱いてください!”ってセリフがあるときに、思い余って“私はあなたが好きです!だから・・・抱いてください!”という風に“だから”のような一言が自然と入ってしまったりとか。

―東山
なるほど。





【MIYUKIの未来】


―東山
MIYUKIさんが活動された当初は、下着から何から個人販売するような掲示板で“オーダー録音します”と宣伝されていたんですよね?そんな何でもありの状況から、音声販売を始められて、今は“オーダー録音”というものが形になり、当初の思っていた形はできたと思うんです。

―美雪
そうですね・・・まだまだですけど。(笑)

―東山
で、これから先、未来のMIYUKI-voice-のことを考えたときに、何か考えていることってありますか?やっぱり仕掛け人としての血があるんじゃないかと思うんですが。

―美雪
そうですね。本当は専用のホームページとかを立ち上げて、“ネット声優やってみたいんだけど、どうしたらいいか分からない”方とかに・・・私は声優業とはちょっと違うんですけど、私でよければ基本的な部分に関してはお手伝いしたいと思っているんですね。

―東山
ええ。

―美雪
今でも、東山さんの時と同じように、オーダーして下さってた方がサークルを立ち上げる場合なんかのお手伝いをさせて頂いたりもしていますし、声優さんを目指している方がもし、いたら、連絡くれればお手伝いさせて頂いたりとか・・・今でも、知り合いの娘さんなんかが声優を目指しているんですけど、こっそり、ノンアダルトの方で声の出演してもらったことあるんですよ。(笑)

―東山
へえ〜。

―美雪
なので、本気でやりたい人のお手伝いができたらいいなというのはありますね。

―東山
そういうような育成もしたいと・・・。

―美雪
はい。

―東山
なるほど。MIYUKIさんは“人のために”っていう気持ちが行動力の源なんですね。

―美雪
そうかもしれません。人に喜んでもらった時が、一番幸せを感じますので(笑)。

―東山
僕もそうなんですよね。例えば、東山誠BRANDというのは、小さなプロジェクトの一つに過ぎない。でも、全力でやってます。スタッフにもプロ意識を求めます。でもそれって何かと言ったら、感動するためなんですよね!あと何年やるのかわからないけれど、やっている最中は、できるだけ多くの作品やクリエイターの方と出会って“人間的に成長させてもらおう”ということなんですよ。

―美雪
うん。

―東山
18禁作品を楽しむお客さんは、オナニーが目的ですよね?でも、制作側がやるのは、毎日する滑舌の練習、発声の練習だったり、ライターなら書いた文書を何度の書き直して、いい文章を目指す・・・、非常に地味な作業の連続じゃないですか?(笑)アダルトもノンアダルトも同じですよね?

―美雪
はい(笑)。

―東山
ね!(笑)・・・ですから、人間的な成長を第一に置く!ということが第一なんです。本気でやっているプロの方にご参加頂くのもそういう理由からなんですね。アマだけでやっていると必ず緊張感がなくなるから。僕も含めて、スタッフが“同人サークルなんだからそこまでの労力は・・・”とか“小遣いを稼ごう”なんて気持ちになるだったら、明日にでも解散しようと思ってます。例えば5年活動するとして、5年後に今よりもっと誠実な人間、他人を思いやれる人間になれないんだったら(サークルとして)大失敗なんですよね!作品というのは僕らを磨くヤスリだと思いますから。

―美雪
やっぱり、“凄く良かった!”と言って頂ける為に、私も自分なりに努力しますし、上手く収録が進まないときは、悔しくて泣きながら収録することもあります(笑)。

―東山
ええ。

―美雪
結構、前の作品ですけど『貝戦』のときは、上手くできなくて何度も泣いて(笑)。

―東山
あああ・・・すみません!(笑)

―美雪
いえ、いえ!そのおかげで凄く学べたと思います(笑)。

―東山
僕は自分の書く文章って下手だなって思うんですよ。でも、本気で下手だと思ってるから、上手くなりたいと思うわけです。

―美雪
そうですね。卑屈になるんじゃなくて、“くそ!もっと上手くなってやる〜!”みたいな気持ちは大事ですよね。





【母がくれたもの】


―東山
あの〜、MIYUKIさんがこれまで活動を続けてこられたものってなんですかね?諦めないで来られた原因って。

―美雪
いや〜、何でしょうね?逆に“何もないから”みたいな・・・。

―東山
はあ。何もないから?・・・

―美雪
まず、“やめたいな〜”と思ったことはないんですね。昔は“続けるためにはどうしたらいいかな〜?”みたいなことばっかり考えていたんですよ。

―東山
うん。

―美雪
ちょっと話が学生時代に戻るんですけど、元々演劇に行きたいと言った時に、親に反対されまして、“バカ言ってるんじゃないよ”と。

―東山
うん。

―美雪
で、まあ、その時に母親が入院したのが演劇に行きたくなったきっかけでもあるんですけど、“いつか母親のことを書きたいな〜”とか“喋りたいな〜”とかいうような気持ちがありまして(お母様はMIYUKIさんが高校1年の時、死去)、で、中学時代に“進学どうする?”と言われた時に、“演劇の道に進みたい”だから、そういう学校に行くか劇団員なるか・・・演劇に役立つところに行きたい。

―東山
うん。

―美雪
で、“いいよ”って言われたんですよ。

―東山
ええ。

―美雪
で、“やったー”と。純粋に許可をもらったと思っていたのに、いざ進路を決める時期になったときに“何言ってんだバカヤローッ!”と。

―東山
あ、そう!?

―美雪
手のひらを返された気分じゃないですか!(笑)

―東山
うん。

―美雪
結局、一時言ってるだけだと思われてまして。

―東山
ハハハッ(笑)

―美雪
どこに行ってもいいけど、演劇だけはやめろと言われまして。私は動物が大好きなので“じゃあ、ムツゴロウ王国に行く!”とか言ってみたり、(笑)“いいよ、出て行くから!”とか極端な話をしまして(笑)ハハハッ!

―東山
へえ〜。

―美雪
どこに行ってもいいけど、その代わり家から通えだとか。

―東山
条件がね。

―美雪
でも、演劇だけは許さないと。

―東山
うん。

―美雪
で、それじゃあ、演劇に役立ちそうな衣装とかの勉強を出来る服飾系の私立に行きたいと思いまして。そしたら、せっかくだから公立も受けたら?と言われ、受けるだけ受けようというので、勉強も何にもしないで受けたら、公私両方受かっちゃって。

―東山
うん。

―美雪
で、私立でいいよと言われたんですけど、母親が入院していたのでお金がかかっていましたし、本当は公立に行ってほしがっているのもわかっていましたので公立に進学しました。・・・でも、その地点で自分のやりたいこととズレているわけじゃないですか?

―東山
うん。

―美雪
だから、高校に行くから、卒業したらやらせてくれといいまして。親からしたら3年間あるので、その間に諦めると思ったと思うんですよね(笑)

―東山
うん、うん。

―美雪
で、どうにかして親を納得させる為に、何かやろうと思いまして、高校3年間フルに生徒会活動をしたんですね。

―東山
へえ〜。

―美雪
で、高校3年の時に自分で調べて、養成所まで行って、パンフレットをもらって、事務の人に話を聞いたりして申し込む準備をしたんです。

―東山
うん。

―美雪
それで、“中学の時にやりたいと言ったじゃないか”と。“生徒会も3年間やり通したじゃないか”と。“行かせろよ!”と。(笑)結局、5年間くらいかけて説得しまして、養成所に行くんですね〜。

―東山
それだけ演劇が好きだったということですよね〜。

―美雪
演劇って、皆で何もないところから作るじゃないですか?それが、私の中で凄く大きかったんです。当時の仲間には、いきなり声の世界に変わったと思われたんですけど、今のアダルトも全く同じで、何もないところから作るじゃないですか?だから、続いているんだと思います。

―東山
うん。

―美雪
なので、養成所に入った後、急に方向転換したんですけど、“やめたい”って思ったことはないんですね。

―東山
うん。

―美雪
オーダーを頂いた方と打ち合わせをして、“初めてこんなに思っていることを話せました”という言葉を頂いて嬉しかったですし、力をもらったり。納期に関して“ゆっくりでいいですから”と言っていただいたりすると“ああ、頑張らなきゃ!”って思う。

―東山
うん。

―美雪
オーダーってその人一人の為に作ることもあって、料金的にも安くはないと思うんですね。その代わり、ちゃんと時間をかけさせて頂くのですが、安くない料金を払って、長く待たせていることって、私的には凄く心苦しいんですけど。じゃあ、安くて早く作るようなものでいいかと言ったら“私はそんなのいらない”って思うんですよ。

―東山
うん。

―美雪
で、お客様から“どのくらいできました?急かしているわけではなくて、楽しみでメールしちゃいました”とか言われると、また嬉しいし、頑張ろうと思うわけなんですね。

―東山
うん。

―美雪
結構、シーンによっては汗だくになったり、息切れしながら収録するんですけど、ヘロヘロになって録って、送って・・・しかも、クライアント様の住所や本名はお聞きしますので、それって怖いと思うんですよね?

―東山
うん。

―美雪
で、“良かったよ!”“楽しかったよ!”って言ってもらえたり、時間を置いてから“今も聞いてますよ!”とか言ってもらうと、“もっと喜んで欲しい”って思うんで、“辞めたい”と思う理由が本当になくって。

―東山
ああ、なるほどね〜。

―美雪
“もっと早く、もっと素敵なのものを提供したいのに私はそれができない”というのが悔しい・・・という方向に行くと、“どうやったらもっと上手くなるか?”という思いで、ここまで来ちゃったという感じですね。

―東山
なるほど。そうですね。あの〜、僕なんかもサークルを立ち上げて2年経ちますけど、とてもじゃないけど(自分のシナリオを)上手いと思えない・・・まあ、はっきり言えば下手くそなんですよね!だけど、僕が思うのは“ずっと下手でいいかな?”って。下手だと感じられるってことは、やっぱり悔しいじゃないですか?

―美雪
そうですね〜。

―東山
だから、永遠に“クッソー”って言いながら書けるんですよ。

―美雪
もう、満足しちゃったらそこで終わると思うんですよ。“私は仕事がある、だから今のままでいい”と思ったら、そこで終わっちゃうと思いますし、仕事がプレッシャーじゃなかったら私はそこで終わると思います。

―東山
だから、毎回怖いんですよね。

―美雪
はい。

―東山
僕の中では“東山誠BRAND”って同人ですけど、全く同人っていう意識はないですね。世の中に出す以上、プロもアマもない。一つの表現として出す感じですね。だから、毎回怖いし、“これは最高のものが出来た!”って思っても、数日後には“うわ〜、ボッサイな〜!!”っていうことの繰り返し(笑)。

―美雪
そうですね。オーダーを下さる方も、ダウンロードショップで購入する方も、こちらがプロかアマかって関係ないような感じがするんですよ。

―東山
うん。

―美雪
もちろん、“同人だから”ってことで甘く見て下さる方も少なくないと思うんですけど、物で考えた時に、例えば“お皿を一枚買いました”。プロのお店で綺麗な皿を買えました。でも、フリーマーケットで買ったら割れたお皿だったけどフリマだから・・・なんてことは関係ないじゃないですか?

―東山
うん。

―美雪
プロかアマかではなく、自分の満足いくものだったか?合格ラインを超えているか?どうかだと思うので、私の中ではプロかアマかの基準もないんですよね。

―東山
うん。

―美雪
中には私のことを“プロ声優さんです”と扱って下さる方もいますけど、私自身が何処に属するかも分からないので、ホームページには判りやすく“ネット声優です”って書いているんです。

―東山
さっきお話した、どこに属するんですか?って言ったら“MIYUKI-voice-です”っていうね?(笑)かつてはMCのプロダクションでプロとして仕事をしていたけれど、今は個人としてフリーでお仕事されている。

―美雪
はい。だから、MIYUKI-voice-です!という感じですね。(笑)

―東山
うん。

―美雪
先日も、数年振りに養成所時代の仲間から連絡がありまして、彼は芸能活動を続けているんですけれど、ラジオのDJもしているんですね。で、番組の中で“ニュースや天気予報を読んでくれる人が欲しい”というので声をかけてくれたんですけれど、朝10時から夕方5時までを週3・4日詰めてやるということでしたので、それを受けてしまうと今のオーダー収録が全くできなくなるんですね。すでにいっぱいいっぱいですし・・・

―東山
うん。

―美雪
で、“ごめん!ちょっと無理!”ってことでお断りしたんですけど。でも、“今も喋っているよ!”って養成所時代の仲間には必ず伝えているんですね。“今も喋ってます!”って。で、レギュラーじゃなく単発であれば手伝えるから、その時は声かけてねって。

―東山
うん。

―美雪
だから、ちょっと変わってる人間みたいですね。私は。

―東山
う〜ん。民放のラジオを断ってでも、オーダー録音を優先する・・・あんまり“有名になりたい!!”みたいな欲はないんですね(笑)。

―美雪
ラジオで沢山の人に情報を伝えるのも素敵な仕事だと思うんです。でも、オーダー録音は私のやりたいことそのものなんですよね。

―東山
やっぱりね、何度も言うけれど、一演者に留まれない人なんですよ(笑)

―美雪
ハハハッ!

―東山
もともと監督志望ですもんね!仕掛け人なんですね、MIYUKIさんは!

―美雪
そうかもしれませんね。(笑)

―東山
これからMIYUKIさんがどういう活動をされるのか全くわからないですけど、凄く楽しみだなと思ってます。当面、育成というのがテーマになりますかね?

―美雪
そうですね。やりたいですね!私自身で言えばもっと色んなジャンル・・・例えば、朗読とか、アナウンスとか、ゲームのお仕事だとか、やったことのないこともやりたいですし、その他では声優志望の方、ネット声優をやってみたい方連絡下さい!!って感じです。

―東山
お手伝いしますよ!と。

―美雪
音声でよければサークルを立ち上げたい人、手伝いますよ!!出来る限りやりますよ〜!!(笑)・・・ただ、やるからには私も相手を選ぶし、あなたも私を選んで下さいねってことはあります。何でも受けるわけではありませんし、お断りする場合もありますので。

―東山
是非ね、“真剣にやりたいんだけど、きっかけが分からない”という方がいらっしゃったら、まずは気楽にMIYUKIさんにメールして下さ〜い!!

―美雪
(笑)ハハハッ!はい!私も色んな方に育ててもらっていますので〜。

―東山
(笑)っていうか、東山誠BRANDもそうやんか!

―美雪
いえ、いえ!!(笑)


MIYUKIさんはメールでのやり取りそのままの方だった。
明るく、マイペースで、実直な女性。

対談終了後、難波駅までご一緒し縁って不思議ですねと話をする。
彼女にはこの先、沢山の出会いがあると予感させる何かがある。
素敵な女性だった。
MIYUKIさん、収録の合間に参加してくれてありがとう。



―東山
今後のMIYUKIさんの活躍にも期待しておりますし、ウチは小さいサークルですけど、今後とも長いお付き合いよろしくお願いします。

―美雪
こちらこそよろしくお願いします。

―東山
また、楽しい作品をお互い作って行きましょう!今日はお忙しい中ありがとう御座いました!

―美雪
はい。こちらこそありがとう御座いました〜!




表現の太陽第五回ゲスト・MIYUKI END

●MIYUKI●

7月28日生まれ O型 大阪府出身
同人サークル・MIYUKI-voice-代表

学生時代から演劇活動に携わり、養成所、事務所を経て現在に至る。
自身の同人活動のみならず、幅広く活動中。個人オーダー依頼は800本を越える。

詳細は公式HP“MIYUKI-voice-”へ


(全年齢)
(18禁)


東山誠BRANDの最新情報をお知らせします。


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