第四回「表現の太陽」目次
1.【新宿にて】
2.【幼稚園からの夢「声ゆうになる!」】
3.【2度の上京と人の縁】
4.【本当に幸せです!】
5.【地声が低いから対談決定!?】
6.【それがなかったら作る気がしない。】
7.【モチベーション】
8.【キャラクターは私の人生の一部】




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【新宿にて】



―東山
今日はご参加頂き有難うございます。どうぞよろしくお願いします。

―春河あかり(以下、「春河」)
こちらこそ、よろしくお願いします。

―東山
えっと、先ほど少しだけお話を聞かせて頂いたんですけど・・・学生時代にもう養成所に通われてたっていう。それも、中学のとき に・・・

―春河
中2です。

―東山
じゃあ、その時から声優になりたいと思ってたんですね?

―春河
もう、初めて“声優になりたい”って自覚したのは幼稚園の頃なんですけど〜

―東山
へえ〜っ!

―春河
凄い遡るんですけど、“グーグーガンモ”っ て知ってます?

―東山
はいはい、知ってますよ!

―春河
私が小さい頃にそのアニメが放映されていたんですけど、その中に出てくるキャラクターに私の本名と同じ名前の子がいたんですね 。

―東山
はい。

―春河
で、小さい頃それを見てて、それが“私だっ!”て何故か思ってたんですよ。

―東山
はい はい。

―春河
で、お母さんに、“ねえ、これ私だよね!”って言ってて。名前が一緒のキャラクターがいる ことって、小さい頃は自分と同じだって思って、別の人だって思えなかったんですよね。

―東山
はい。

―春河
で、お母さんに“これ私だよね〜、いつガンモ来るのかな〜?”って 言ってて、それも幼稚園の帰りの雨の日に、“ガンモいつ来るの?”って(笑)

―東山
そ ういう子だったんだ〜。

―春河
そう。で、お母さんも夢を与えてくれればいいのに(笑)・・・結構、うち のお母さんもシビアな方なので、“そんなガンモなんて来るわけがないじゃない”って言って。“あれはアニメの中のお話で・・・”(笑)

―東山
ハハハッ(笑)。

―春河
“声優さんっ ていう、声でお芝居をしている役者さんがやってるだけなのよ”って。たぶん、お母さんとしてはそれで話が終わると思ってたんだと思うんですけど、私はそれを聞いた時に “じゃあ、私それ(声優)やろう!”って思ったんです。

―東山
ええ〜、凄〜い!!





【幼稚園からの夢「声ゆうになる!」】


―春河
本当に幼稚園の時なんですよ。

―東山
でも、幼稚園からって凄い。だって自我が形成される前じゃないですか?

―春河
何でなんですかね〜?それしかなかったんですよ。

―東山
声優になるために産まれてきたの?(笑)

―春河
天職?ハハハッ(笑)でも、本当 に他の道がなかったんですよね〜。幼稚園の七夕の時に、短冊に“声ゆうになりたい”って書きましたから。“声優”の“優”っていう字は書けなかったんですけど、“声” っていう漢字はなんとか書いて“声ゆうになりたい”って。ハハハハッ!!(笑)。

―東山
ハハハ ッ!カワイイな〜っ。(笑)

―春河
その短冊の紙は、未だに親が取ってるんですけどね。(笑)小学校の卒 業文集にも“声優になる!”って書いてたし。だから、今の活動をその当時の友達に話をすると、皆“え〜、よくそんな続けてるね〜!”って・・・

―東山
(笑)そうだよね!持続性でいったら異常だよね!

―春河
(笑)そう、だから凄い長さなんですよね!で、その当時はただ単に声優ってことだったんですけど、“18禁”ってものに興味を 持ったのは『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』(エルフ)っていうゲームがあって・・・。

―東山
それは何の媒体ですか?

―春河
18禁のPCゲームがセガサターンに移植されてい たんです。勿論それも年齢制限があるゲームとして出されていて。で、当時、TVを観ていた時にそのソフトのCMが流れたんですけど、“うわっ!女の人がムチで打たれて る!”ってシーンがあって。

―東山
へえ〜。

―春河
それを見ていて“うわっ!何だか凄くエッチだなっ!”って、衝撃と共に惹き付けられたんですね。

―東山
うん。

―春河
そのCMを一回観ただけなのに、何故か“この作品は絶対やってみなきゃ!”って思ったんです。そしてその作品をプレイしてみて ・・・ビビビっと感じました。“私の目指す場所は18禁ゲームの世界だっ!”って確信を持ったというか。

―東山
あっ、そう!?

―春河
はい。「YUーNO」からは、それだけ深いメッセージを受け取ったんです。18禁作品って、エッチなシーンは勿論なんですけど、年齢制限をつけることで表現の幅が広 くなるじゃないですか?

―東山
うん。

―春河
そういう所に 凄い惹かれて、“これが私の道だな!”って(笑)

―東山
は〜・・・ちなみに中学の時に養成所に通ってたっていうのは、他の子が塾に行く感じで通って たんですかね?

―春河
あ、私の中では、“声優”っていう目標は絶対的なものだったので、習い事に行く感 覚ではなくて。“自分が声優になるために必要な過程なんだ”っていう感じですよね。

―東山
うんうん。・・・でも、その当時そういう子は周りにいないでしょ!?

―春河
そう ・・ ・だから、“変ってる”って言われました。

―東山
そうだよねえ。中学校で・・・

―春河
そうですよね(笑)ハハハッ!

―東山
養成所って僕のイメージだと、大抵高校卒業してからっていうのがあるし・・・へえ〜、それだけ目標設定が早かったわけだ〜。

―春河
そうですね・・・本当に幼稚園の頃から、自分の中の目標は「声優」だったので、他の選択肢は一切頭に無くて ・・・。「声優になる」っていう道しか考えられなかったんですよね。

―東山
へ〜。

―春河
だから、高校を出て直ぐに“一生声優としてやっていくから!”って。で、親にしてみれば、幼稚園の時からずーっと言っている事だから“好きにしなさい”と。

―東山
うん。

―春河
でも、「18 禁声優になる」って言ったときは“えっ!?”って感じになっていましたけど・・・(笑)





【2度の上京と人の縁】


―東山
うん。

―春 河
18禁ゲームの世界って、演技力やお芝居の幅が凄く問われるジャンルだと思いますし、誰でもすぐにパン!と飛び込めるほど甘くないですよね。だから 、事務所や劇団でお芝居をしたり、ラジオでフリートークのお勉強をしたり・・・東京や大阪を転々としながら、日々勉強!って感じでした。

―東山
それは一人で行って、各地域で生活しながら勉強して?

―春河
そうです。先ず初めに東京に一人で来て、色々勉強して。でもその時、実家にいる親の体調が悪くなったから“戻ってきなさい”っ て言われたんです。・・・で、結構昔から好きにさせてもらっているし、親のことも大事なので一旦大阪に戻ったんですね。

―東山
うん。

―春河
でも、やっぱり続けたいじゃないですか?そこで 初めて同人のお仕事をさせて頂いて。お家で収録させてもらえるし、両親と一緒にいながらもお芝居の勉強ができる。キャラクターを演じることができる。18禁っていう枠 の中で自分を表現できる。ということで同人のお仕事を始めたんですよ。

―東山
うん。

―春河
それからしばらくして、親の体調もだんだん回復 しまして、商業のお仕事のオーディションも受けるようになって。・・・で、デビューさせて頂いた『めいくるッ! 〜 Welcome to Happy Maid Life!!〜』(ASa-Project)っ ていう作品があるんですけど、そこで初めてですね、商業のメーカー様から“オーディションに合格しました”って連絡が来て!・・・その時はもうPCの前で号泣しました! !

―東山
うん。

―春河
やったーーーー!!

―東山
うん!

―春河
やっと、自分の目標に続く道のスタートラインに 立てた!って。

―東山
そうだよね〜。だって幼稚園の頃からの夢だもんね〜。

―春河
そうなんです。そうなんです!その時は大阪にいたんですけど、スタジオは東京だったんですね。で、収録をさ せていただく為に、大阪〜東京間を日帰りで往復して(笑)・・・話は飛んじゃうんですけど、同人のお仕事ってネットで交流させてもらう事が多いので、あまりお会いする 機会ってないじゃないですか? でも商業の世界に入ると、メーカーの方やスタジオの方と、直接会って色々とお話させて頂けますよね。

―東山
はい。

―春河
これは、ネットだけじゃ勿体ないなと思って。や っぱり直接会ってお話をしないと、私のことも分かってもらえないし。例えば、どれだけ18禁作品が好きか?どれだけお芝居が好きで、キャラクターのことが好きか?私が 、生涯18禁声優として、活動していきたい!!って感じている素直な気持ちを全部知ってもらうためには、大阪にいるんじゃダメだと。

―東山
うん。

―春河
で、親の体調も良くなっ た時に、“東京に行きます”“18禁声優としてデビューします”って感じで伝えて。

―東山
うんうん。

―春河
でも、最初は大反対でした。“18禁声優って何なの!?”と。・・・やっぱり親は、この世界の事を詳しく知らない訳ですから。

―東山
うん。

―春河
でも、“私はどうしてもこのお仕事で食べていき たい!”って説得して。そして今は東京で、同人のお仕事も続けさせてもらいながら、商業のお仕事のオーディションを受けさせてもらって・・・という感じです。

―東山
上京してきてどのくらい経ちましたっけ?

―春河
一年半くらいですかね?2年経ってないくらいです。

―東山
ふ〜ん。そうやって考えたら順調ですよね?一年半で。

―春河
はい。そうですね。本当に有難いです。

―東山
それは、こう、あかり さんのエネルギーがクライアントさんにもファンの方にも伝わっているんですよね。

―春河
そうなんですか ね・・・?(笑)

―東山
そっか〜。

―春 河
・・・でも、本当に思うのは、私は周りの方に恵まれているなって事なんですよ!お仕事先で出会った方とか、皆さん良い方ばかりですし、今は歌のお仕事 (doubleeleven undercurrent)もさせてもらってたり、本当にその〜・・・凄く人に恵まれてるんですよね!

―東山
それは人望ですよ!

―春河
いえいえ違う、本当にいい方ばっかりなんですよ!!

―東山
あかりさんの“声優やりたい !”っていう純粋な気持ちが、やっぱり伝わってるんですよ。

―春河
はあ〜。うん。だといいです!まだま だ全然ですけど。





【本当に幸せです!】


―東山
でも、小さい頃からの夢を、今お 仕事としてやれてるって本当に幸せですね!

―春河
はい。幸せです。本当に幸せなことですよね!

―東山
あのね、あかりさんのブログを見させて頂くとわかる!

―春河
何がですか!?

―東山
幸せなのが。

―春河
そうです。幸せなんですよね〜。

―東山
しょっちゅう・・・だってさ!

―春河
ハハッ!(笑)

―東山
“またこんなお仕事戴けたんです〜”とかさ。明るいでしょ?僕なんかたまに愚痴書いてるんだもん!“一 生懸命書いたのに、売れないな〜”ってね。

―春河
はい。ハハハハッ!(笑)

―東山
あかりさんのは読んでて元気になるブログなんだよね。

― 春河
本当ですか〜!?(笑)・・・でも、例えばオーディションに落ちちゃったとか。悲しいことが起きたりとか、生活していく中でやっぱり落ち込むこと もあるんですよね。でも、例えば、オーディションに落ちたことって、絶対マイナスじゃないですよね?

―東山
うん。もちろんそうです。

―春河
で、“そっか、メーカーさんはこういうキャラを 求めてたわけじゃないんだな〜”とかって気付けて・・・。その後、合格された声優さんの名前が発表された時に、“あっ、(手を叩いて)こういう感じの声と演技を求めて らっしゃったんだな〜”って。 それに気づく事が出来ると、私、ワクワクするんですよね!他の声優さんの演技とか聴いてみて、“こういう表現の仕方もあるんだ!なるほど!”とか。そういうのって自分 にとって凄くプラスになるし、楽しくて・・・あ、何かニヤニヤしちゃった!(笑)ハハハッ!

―東山
で も、ブログにそういう前向きさが出てますよ。

―春河
ああ、本当に・・・。

―東山
うん。コメントを読んでたら分かる。ファンの方のコメントが温かいでしょ?

―春河
そうなんですよ〜〜〜〜!!!本当に!!

―東山
ねえ。

―春河
応援して下さる皆さん、本当に優しい方ばっかりで。 ・・・あの、 私、ちょっと前に車で事故にあったんですよ。

―東山
ああ、本当。

―春河
その時は、本当にパニックになっていて、自分のブログに“事 故にあったんだけど、どうしたらいいか分からない!”っていう様な事を書いたんですね。

―東山
うん。

―春河
そうしたら、“それなら、こういう風にしたらいいんじゃない?”ってコメントを、ファンの方から頂きまして!・・・それにメー ルの方でも、色々な方からメッセージを頂戴して・・・。何というか、その時に改めて、私は凄く周りの人達に支えられているんだなって感じました!皆さん本当に暖かくて 。

―東山
やっぱりね、あかりさんの人望なんです、それ は。

―春河
違う、違う、皆が暖かいんです。本当に!

―東山
やっぱり“類友”だから〜、あかりさんが周りの人にそう接してるんですよ。こうやって話をしていても、あかりさんとまたお仕事 したいなって思うもん。

―春河
あ〜、本当ですか!有難うございますっ!!へへヘッ(笑)

―東山
って言うか、東京の最終日はいい話ばっかりだな〜。逆に、あかりさんの擦れてる部分とかな いの!?“私、性格悪いです”とか。今のところいい話ばっかりだもん。これじゃあ、益々ファンが増える一方だわ!!(笑)

―春河
何で、いいじゃないですか!?(笑)

―東山
面 白くない!!(笑)

―春河
いや、ごめんなさい。ハハハハッ!でも、嫌なところ一杯ありますよ。一杯あり ますっ!

―東山
自分ではあるわね?

―春 河
はい、あります、あります。

―東山
何で渡辺(当サークルライター・ 渡辺淳司)が押すのかがわかった。

―春河
渡辺さん、有難うございます!

―東山
何か、メールの応対が早いとかって聞いてます。

―春河
あ、それは凄く心がけてます。本当にそれは大事だと思います。

―東山
それは、プロ意識?

―春河
んー。どうなんでしょう?ただ、メールは朝と夜と・・・気付いたら絶対チェッ クするようにしてるんですね。メールでご連絡を頂く事が多いですし。・・・それに同人のお仕事だと、相手の顔を見ないでネット上だけで連絡を取らせて頂く訳ですから、 相手のことを信頼できないと、お仕事として成り立たないですよね?

―東山
はい。

―春河
で、一 回信頼を失くしてしまったら、それを回復するのにもの凄い時間がかかるし、そのチャンスが来ることもないかもしれない。だから、一個一個のメールって凄い重要だなって 思うので、確認したらすぐその場で返信するように心がけています。

―東山
うんうん。

―春河
クライアントさんと 私の唯一のつながりがネットでしかないのであれば、そこだけは何があってもしっかりしないといけない・・・というのは意識としてありますよね。そこはお互いが楽しくお 仕事を進めるためにも、一番大事だと思います。

―東山
そうだと思う・・・ウチも基本的にそうしてます。遅くとも2日 以内の返信ですね。それはこっちの都合ももちろんありますよ。だけど、サークルメンバーとよく話すのは、“相手のためだよね”って。安心して仕事をして欲しいもん。

―春河
そうですよね。

―東山
うん。あの、僕がね、何で“ネット声優”をあえてネガティブに考えているかというと、ネット声優でも一生懸命やってる方はいる。いるけど、社会常識は持ち合わせてい ないとダメなんですよ!いくら演技が上手くてもね。1000円でも貰うなら仕事ですもん!

―春河
うん。

―東山
そこに同人も、商業もないし。そういう誠実な対応も含めて“声優春河あかり”は 評価されてるんだと思うな。

―春河
う〜ん。そうでしょうか?そうだったら嬉しいです(笑)

―東山
・・・アカン〜!春河あかり、凄い高感度アップやないですかこれ〜。

―春河
何で・・ハハハッ!!何でなんですか!!(笑)

―東山
多分ね、“当たり前のこと”をしてるんだと思う。でも、“当たり前のこと”をできる人が少ないんですよ!

―春河
そうですか?

―東山
うん。






【地声が低いから対談決定!?】


―東山
今回、僕があかりさんにお会い したいって思った理由は、(CDを指差して)こちらのサークルさんの、居酒屋でお話している音声をスタッフから教えてもらって・・・

―春河
はい!はい!はい!はい!デュークラジオですねっ!?

―東山
そうです。

―春河
はいはい。歌の・・・

―東山
で、聞いてみたら、地声が全然違ってて。

―春河
そう。 低いんですね、割と・・・

―東山
それで・・・“会いたいっ!!”って思ったの。

―春河
何でですか!?・・・低いから!?ハハハハッ!!

―東山
聞いた瞬間に、“会いたい”って思ったの。

―春河
へえ〜。

―東山
あの〜、最初に依頼した『10人抜き!!』の時に、僕は自分の『10人抜き!!』を 壊したいって思ってたんですよ。で、渡辺にキャスティングから任せるから、って言ったんです。そしたら、“春河あ かりさんって声優さんがいるんだけど依頼していい?”って言ったから。“好きにしてっ!”って。

―春河
ハハハハッ!

―東山
壊していいから!って。で、サンプルが上がってきて聞いたら・・・ 僕は変な意味じゃなくて笑ったんですよ。

―春河
笑いました?

― 東山
今まではリアル路線でしょ?それが、ほわ〜んとした女の子になってて・・・

―春河
はい。(笑)

―東山
完全にブチ壊されたっ!!って思って。

―春河
ハッハッ!!(笑)

―東山
キャスティングする人間が変わって、あかりさんに演じてもらったら、それまでとは全然違う10人抜きになったんですよ。それで、“ わ〜、面白い”って思って。

―春河
はい。

―東山
正直、アニメ系のキャラだったので、僕の好きな『10人抜き』ではないけど、凄く嬉しくて・・・尚且つ、地声が全然違うという ことは、本当に演技されてて、“この人は凄いかもしれない”って思って。

―春河
本当ですか・・・。ハハ ハッ!

―東山
ええ。そうなんですよ。

― 春河
はい。ああ、でも、本当に地声とは違うってよく言われるんですよね。あの『10人抜き』のときは、中ぐらいの高さなんですけど、例えばキャラクタ ーとしてもっと作り込む時は、もっと高く上がったりとかっていうのが多くて、凄い高い声のキャラクターでお芝居をしていると、そのキャラクターで好きになって下さった 方が、会ったり話した時とかに、“えっ!本当に春河さんですか!?”って。

―東山
うん。

―春河
あまりにも声が違うので 。“本当に春河さんですか!?”って。で、私は“ああ、そうなんですゴメンなさいっ!!って。

―東山
でも、それって声優として嬉しくないです?

―春河
嬉しいんですけど、何か申し訳なく思って・・・

―東山
あ、イメージが あるから。

―春河
ええ。演じたキャラクターとか声を聴いて、“きっとこういう人なんだろうな〜”って想 像される方もいらっしゃると思うので。だから出来るだけそのイメージを壊したくないっていうのもあるんですよね。

―東山
ああ、そっか〜。でも、僕からしたら逆に、それだけ演技の幅が広いっていうことだから、声優さんの能力としては、そっちの方が 魅力を感じますね。

―春河
ああ、本当ですか?

―東山
だって、今の地声から、ああいう可愛い声までが出来るわけじゃないですか?

―春 河
はい(笑)有難うございます・・・(笑)

―東山
あっ、ちなみに僕は 18禁PC ゲームってあまりよくわからないんですよ。僕は、アダルトビデオのエロの流れからサークルを立ち上げたので。あかりさんに求められるキャラクターってどういうのが多い です?・・・スタッフから聞いたら“メガネっ娘”だとか・・・

―春河
そうなんです、アハハハハッ!!

―東山
僕、アキバ系っていうのがよく分からないんですよね。どういうキャラクターとか 声が多いですか?

―春河
デビュー作で演じさせて頂いた女の子が、“ちょっぴりドジなメガネっ娘”だった のですが、実際、メガネっ娘さんの役が多かったりしますね。声は(実際に声を出して)“は〜〜〜〜っ”“ハワワワ〜〜”ぐらいの高さです。

―東山
そうか、そうか。

―春河
私の声質って、割と「柔かい」って言われる事が多いのですが、そのせいか“おどおどした子”や、“ほわほわした癒し系?”みた いなキャラクターが多いです。

―東山
なるほど。僕はね、地声を聞いたとき に、もし“春河あかり”ってイメージが、そういうのが多いのであれば、是非、お姉さんボイスをやって欲しかったん ですよ。30代とは言わないけど、キャリアウーマンで、部長クラスでみたいなお姉さん。どうですか?本人は嫌じゃないですか?

―春河
嫌じゃないです、もちろん!あの、“やっぱり、こういう役だったら春河だよね!”って言って貰えるようになりたい・・・っていうのが最終的な目標なんですよ!

―東山
やっぱり自分の色はないとね。

―春河
はい。でも私は、今はまだまだ勉強の段階なので、色々なキャラクタ ーを演じて、色々と吸収していきたいと思っています。キャラクターから学ばせて頂けることって多いと思うので。だから、可愛い感じの女の子や、色っぽいお姉さんなど、 幅広く演じて自分の可能性を知って行きたいです。





【それがなかったら作る気がしない。】


―東山
あの〜、僕は13年前に仲間と1 本のカセットテープから企画をスタートさせたんですね。一本のカセットテープにラジオを吹き込んで、LIVEをやたりって。TVの芸人を見てる人たちにそれを伝えよう と思ったら、本当に面白くないと誰も聞いてもくれない。だから、否が応でもプロ意識は高くなったんですけど。今のPCの環境は当時の僕らからしたら本当に素晴らしい環 境だし、誰でも不特定多数にラジオを流せる最高の環境ですよね?

―春河
そうですね、PC一台あれば何で も出来 ますよね。

―東山
ええ。で、もちろん僕はそれ自体素晴らしいことだと思ってるんですけ ど、
でも、趣味で流すのではなくて、お客さんやファンの人たちの心を掴もうとしたら、あかりさん達の様にプロ意識が高くないとファンはつかない。趣味では いくらでも流せますけどね。

―春河
はい。

―東山
でも、本当に趣味で流して、それで満足する人だったらそれでいいじゃないですか?でも、お客さんとコンタクトして、こちらが逆 にパワーをもらったり、こちらも作品を通じてパワーを返したり、このキャッチボールをしたくないですか!?

―春河
したいです!したいです!

―東山
したいですよね!僕もそうなんですよ 。これがなかったら、正直、エロ作品なんて作る気もしないんです。

―春河
(笑)ハハハハッ!!

―東山
同人以外では、人前でやることを前提に企画してましたから。それが、同人活動でもできるか ら続けているんですけど・・・だから、本当にあかりさんはいいね!!

―春河
何!?(笑)ハハハハッ!!

―東山
(笑)なんか、もうちょっと無いのかよ!本当に。ただ、いい子で終わるやん!!

―春河
(笑)ハハハハッ!!・・・でも『10人抜き』をやった時に、購入された方から、Web拍手と かコメントを頂きました。

―東山
ああ、そう?

―春河
はい。“あかりさんのことを初めて知りました。良かったよ〜”と。あの、私にとってキャラクターって・・・作ってる方にとって も子供みたいなものだと思うんですけど、私、凄い感情移入しちゃうタイプなんですね?

―東山
はいはい。

―春河
その子のバックグラウンドを考えたりだとか、台本を読むときも 化石になったようにガーッと集中して読むんですけど、凄い気持ちがシンクロしやすいんですよね。だから、そのキャラクターが好きだよ!良かったよ!って言われると、メ チャクチャ嬉しいんですよね〜。

―東山
はいはい。

―春河
声優として嬉しいっていう気持ちもあるんですが、自分の事をそう言って貰えたような気持ちにもなって。だから本当に、応援して 下さる皆様全員に直接会って、「いつも有難うございます」って挨拶させて欲しいんですよ!

―東山
うんうん。

―春河
先日、deucというユニットで音楽CDを出し たんですけど、その時に、前から応援して下さっていた方がCDを買いに来てくれたんですね。 で、“あかりさんですか?自分は○○○という者で・・・”って挨拶して下さって!・・・それがもう。私は本当に嬉しくて感激して、思わず“わぁ!○○○さんですか!? 握手して下さいっ!!”って(笑)・・・その方も、私が突然手を差し出したから“ええええっ!!”ってなっちゃって・・・(笑)

―東山
“スゲー、食いつきだなっ!”って?(笑)

―春河
そう、そう!その場にいたスタッフさんからは、“逆だよ!逆っ!普通、応援している方が握手してって言うもんでしょ!?”って突っ込まれました (笑)

―東山
でも、普段あかりさんがファンの方 にそういう風に思っているから、そういう機会が来て夢中になっちゃったんだよね?きっと。

―春河
そうな んですよ。やっぱり、直接お会いする機会が殆ど無いから〜、もう本当嬉しくて!そういう機会がもっと増えたらいいなって、思うんですけど・・・

―東山
公開イベントなんかのお仕事とかも結構されてますか?

― 春河
これからもっと増えたら良いな・・・って感じです。今は、M3(最大の音楽同人イベント)の際にファンの皆様とお会いする・・・って事が多いんで すが、今後はもっと色々なイベントに参加していきたいです。「18禁声優の春河あかりです!宜しくお願いします!」って、皆様にご挨拶したいですし!





【モチベーション】


―東山
次はですね、少し作業面のお話を 聞きたいんですが、僕も声優のお友達は何人かいるんですけど、やっぱりみんな、台本と格闘してやってるんですね。その人によって色んなパターンがあるんですけど、あか りさんはどんな感じで役作りをされてますか?

―春河
あ〜。まず頂いた台本をバーッと読みます。マーカー で自分のセリフ部分を色分けしながら。

―東 山
はい。

―春河
私、少なくとも3回は絶対読むんですね。自分 の台詞が有る無しに関わらず、全部通して。

―東山
うん。

―春河
で、例えば、一番初めに読んだ時は分からなかったキャラクターの気持ちとかも、2回、3回と読んでいくうちに、“あっ、これは 、こういう気持ちだったんだ”って感じられるようになって。

―東山
ええ。

―春河
で、読みこん でいくうちにキャラクターと自分の感情がどんどんシンクロしていって。だからキャラクターを演じ終わった後、しばらくはそのキャラクターが抜けなくなっちゃう事もあり ます。

―東山
うん。

―春河
だから、そういう感じでキャラクターと自分が一緒になっていって演じる。という感じですかね?

―東山
あの〜、PCゲームとかだと一番多いセリフ数ってどれくらいあるんですか?

―春河
いくつ位なんだろう・・・多いものはかなり多いですよね(笑)

―東 山
ですよね?かなりの量ですよね?で、春河さんお忙しいと思うから、一つの仕事が終わったらすぐ次の依頼が待ってますよね?

―春河
はい。連続してご依頼頂ける事もあったりしますね(嬉しそうに)ハハハハッ!

―東山
でね!悲しいかな、キャラクターと自分が同化するまでやっても、収録 が終わればそのキャラクターとは一旦さよならでしょ?

―春河
そうですね。

―東山
で、気持ちを切り替えて、次のキャラクターですよね?

― 春河
はい。

―東山
で、これを延繰り返すわけですけど、モチベーション を保つのに辛い時ってどうしてますか?

―春河
え?

―東山
・・・例えば、人間関係もあるし、素の自分が私生活の中で辛いことも起きますよね。台本を読むのに辛い日があったり・・・

―春河
えっ。あの・・・本当にぶっちゃけて、ないです!!

―東山
ない!?

―春河
あの!キャラクターと別れるのは凄く寂しいん ですよ!その子を自分自身のように感じてるから。でも・・・ええと〜、何て言ったらいいんだろう・・・・。

―東山
終わったら終われる?

―春河
ええと。是非また演じたいキャラクターっていうのは勿論いるのですが・・・今はまだ色々な役柄を演じて、勉 強して、吸収する段階なので、“ずっと1人のキャラクターを追いつづけるだけじゃいけない”って気持ちが自分の中にあるんです。だから、大好きなキャラクターとお別れ するのは凄く寂しいけど、最初は無理矢理にでも次のキャラクターへ気持ちを移行するようにしています。

―東山
例えば、私生活でお仕事も含めて、嫌なことがあるでしょ?でも、そういう時でも“声優・春河あかり”は、それなりのクオリティーを求められてる わけですよ。しかし、“人間・春河あかり”もあるわけですよ。それは、どうですか?お仕事だったら吹っ飛ばす!?

―春河
はい。

―東山
吹っ飛ばせる!?

―春河
はい。

―東山
影響は受けないんだ?

―春河
例えば、“役者なら、親の死に目に会えなくてもお芝居をやり通せ”って言うじゃないですか?

―東山
うん。

―春河
何ていうのか・・・本当にそんな感じです。声の収録が、舞台のようなLIVEじゃないにしても、きっとお仕事がある以上、私は 親の元には戻らないと思います。・・・ちょっと大袈裟な表現だけど、それ位の覚悟をもってお仕事していますね。

―東山
あ〜。

―春河
勿論、親のことは大好きですし、すぐにでも駆けつけたいって気持ち にはなると思うんです。でもきっと、そういう事態になった時、私は目の前にあるお仕事を優先するんじゃないかな・・・?

―東山
・・・何かわかる。僕も同じタイプなんですよ。例えば、過去に経験し たことで言うと、あの〜、音楽は・・・語弊があるかもしれないですけど、簡単なんです。LIVEの話ですけどね?

―春河
うん。

―東山
始めて終わるまで聞いてくれますから、パフォーマンスに 集中するだけなんです。でも、お笑いは人を笑わせないといけないでしょ?

―春河
あ〜、そうですね〜。

―東山
客は笑いに来てるんですよ。・・・でも、例えの話、身内がなくなったりして、人 を笑わせるような心境じゃないことなんて多々あるんですよね?でも、僕はやるんです。

―春河
わかります っ!

―東山
悲しいからこそやる!って気持ちに。負けない!ってことかな?僕は凄く凹む タイプだから、弱い自分に対しての怒りのエネルギーが出てくるんでしょうね?で、凹みまくった末にギアが切り替わる感じ。で、自分に勝つ。お客さんに勝つ。・・・悔し いんですよ、凹んだままでは。僕の場合はね。

―春河
へ〜〜〜〜。

―東山
悲しければ悲しいほど悔しくなる。

―春河
はいはいはい。

―東山
逆に言うとそれだけ凹むってことですよね!(笑)。あかりさん は そういう感じではないですね?

―春河
そうですね。もちろん私も、時には落ち込んだりもするけれど、やっ ぱりお仕事は楽しいので!お仕事から元気をもらってる感じです。





【キャラクターは私の人生の一部】


―東山
あの〜、色んな考え方があります けど、例えば欧米人っていうのは、若いうちに金を稼いだ人は30代から50代の間にリタイヤする人がいるんですよ。お金持ちになった人は。

―春河
はいはい。で、遊んでっていう・・・

―東山
“ バカンスだぜ!これが人生だぜ!”って。もちろん成功者の話ですけどね・・・

―春河
はいはいはい。

―東山
で、あかりさんがもしも30代にね。一生遊んで暮らせるだけのお金を手にしても、仕 事するでしょ?

―春河
します。・・・私は声優のお仕事が大好きだし、何よりもキャラクターに会いたいん ですよね。そのキャラクターの人生を一緒に経験させてもらえるのは本当に幸せですし。

―東山
あかりさんは作品自 体も好きなんでしょうけど、もうちょっと踏み込んで言うと、キャラクターが大好き?

―春河
はい。もちろ ん作品全体も好きなんですけど、自分が演じるキャラクターだけじゃなく、他のキャラクターも大好きです。・・・例えば自分があるキャラクターを演じているとすると、そ の子の周りにいるキャラクター達は、自分にとっての友達だったり、恋人だったりする訳ですよね。

―東山
うん。

―春河
だから、自分の演じるキャラクターに接する他のキャラクターも大好きなんですよ!わかりますか?

―東山
わかるわかる。

―春河
そう ・・・自分がその作品の中にいるような感覚ですね。だから、私生活で嫌な事があったとしても、そのキャラクターを演じられるし、演じているときは春河あかりじゃなくて 、そのキャラクター自身なわけです・・・。だから、その子が楽しかったら私も楽しいし、笑っていられる。

―東山
あの〜、PCのゲームだとか同人でもゲームが多いですよね?ウチみたいな音声作品って、まだ、少ないと思うんですよね。

―春河
はい。

―東山
で、PCゲー ムの場合は絵があったり、キャラクター設定やストーリーがしっかりしてると思うんですけど、出演して頂いた『10人抜き』だと、ハッキリ言って演者のあかりさんが感情 移入する領域って殆ど無くて、僕らの用語で言うと単なるズリネタ作品なんですよ。

―春河
はい。

―東山
ああいうものでも、そこまでの気持ちまで持っていけます?

―春河
大事ですよね、やっぱり。何か、あの“あかりちゃん”に関しては見た目のイメージがちゃんとありますし。あ と、どういうシチュエーションなのかなとか、場所の感じとか台本読んで全部イメージできましたので。だから、感情移入しますよね?

―東山
うん。

―春河
あの作品に関しては、嘘 っぽくしたくなかったんですよ。アニメっぽい感じだったかもしれないけど、それでも、できるだけリアルになれるように。だから、全てを作って“頑張りまーす”っていう よりは、聞いてる人がそこの現場にいるような感覚になってもらえるように心掛けましたね。

―東山
なるほど、ああいうような作品でもそこまでやって頂けるのは嬉しいですよね。

―春河
でも、読んでたら感情移入しますよね。商業も同人も全部大事なお仕事だし、本当にどのキャラクターも可愛いというか、愛しいというか。

―東山
そうか〜、またファンが増えますね。

―春河
いえいえいえ。・・・でも、ホント正直な気持ちです。あんまり嘘とかつけないタイプなんですよ。私。顔に出るので。

―東山
わかる!僕はお会いする前から何となくそういう雰囲気は感じましたね〜。キャスティングをする地点で。

―春河
ありがとうございます。

―東山
何か、凄く“擦れてないよな〜”と思って。

―春河
擦れてますよ〜〜〜〜〜!!!


春河さんは本当に澄んだ目をしている方だった。
その素直で飾らない言葉の一つ一つに、自分の夢に対する想いと、ファンへの 感謝が溢れている。

かつて、幼稚園の帰り道に母へ伝えた気持ちを今も変らず持っているのではないだろうか・・・
そう、太陽だ!純粋無垢のまま 大人にはなれないが、
純粋無垢でない表現には感動は少ない。
彼女と話し、また学べた。感謝。

これにて、表現の太陽IN東京は終了!!
参加してくださったクリエイターの皆さん本当にありがとう!

さあ、次の出会いへ。大阪帰るで〜〜!!


―東山
また、こちらも色々新しい企画を考えてますので、今後ともよろしくお願いします。

―春河
こちらこそ〜!楽しかったです。

―東山
長い時間ありがとうございました!

―春河
ありがとうございました!



「表現の太陽」第四回ゲスト・春河あかり END

●春河あかり●

198X年11月1日 B型 千葉県出身。
声優(フリー)。

CHK声優センターで勉強後、事務所所属を経て現在に至る。
18禁ゲームのみならず、歌やイベントと多方面で活躍中!

詳細は公式ブログ“あかりずむ。”へ



また、「doubleeleven undercurrent」として山下航生氏と共に、
ボーカルakariとしても活動中です。

詳細は公式HPへ


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