第一回「表現の太陽」目次
1.【六本木にて】
2.【かがりちゃんとAV女優】
3.【進化するハード・退化する心】
4.【トランス】
5.【TOHJIRO組】
6.【TOHJIRO監督・16歳の原風景】
7.【何故、作るのか。】
8.【形を守る】
9.【TOHJIRO監督の癖(へき)】



【六本木にて】



―東山
初めまして、東山と申します。今日はお忙しい中、当サークルの企画に参加して頂きましてありがとう御座います。どうぞよろしくお願いします。 

―TOHJIRO監督(以下、TJ)
こちらこそよろしく! 

―東山
あの〜、早速なんですが・・・僕らが作ってる18禁音声作品というのはですね。僕らがシナリオを書いて、それを声優さんに発注して音が上がってくる。監督に聞いていただいた「4lips of Erotic.」ですと四名の声優さんですとか、それを編集してまとめていくという作業なんです。僕らがやっている音声というのは小さいものなんですけどその世界でもボクは嫌になってきまして(笑)。というのはこれも聞いていただいた「ボッコボコ!!」なんですけど、僕の中では今出来る面白いものを発表したつもりだったんですけど、非常に評価が悪いんですね。 

―TJ
うん。 

―東山
端からHくて、すぐにオナニーを開始できるものですと割りと評価はいいんですが、ああいうドラマを聞かされるとですね、リスナーの評価は悪いんです。声優さんの場合は、AV女優さんとは違って、大体養成所などに通ってですね、アニメやゲームのアフレコを目指しているような人たちなんです。 

―TJ
うん。 

―東山
なので、声優さんには、できれば真剣勝負で演技して、キャラクターが呼吸をして、ちゃんと存在してくれて、そこでエッチが行われてエロイ!って方向になんとか頑張りたかったんですけどそれはなかなか難しかったんですね。 

―TJ
うん 

―東山
簡単に・・・簡単にとは言いませんけど、もう、“フェラチオがとにかく出てくる”とか、それがウケるんですね。で、サークルを運営していく上ではそういうニーズと言いますか、そういう作品も挟みながらやっているんですけど、この単調なエロボイスの世界に僕は飽き飽きしていたんです。そんな中、前回の20周年記念とお誕生日のイベントの模様を動画で見させて頂いて、僕は、こう、TOHJIRO監督にもの凄く会いたい!って欲求がより強まったんですね。 

―TJ
はい 

―東山
その中で、今のAVに対しての提言といいますか、いわゆる男優は喋るなと・・・。単にズリネタの道具だという今のAVに対して提言されてた箇所があったかと思うんですが、そこが凄く引っかかっていまして、監督はいわゆる『心』・・・女優さんにも、人間としての『心』を開放させて、体は当然ですけど開放させてっていうトコまで要求されていると僕は思うんです。 

―TJ
うん 

―東山
ず〜っと20年も、本当に大変なお仕事だと思いますけど続けてこられて、今の作風になった何かきっかけとかあったんでしょうか?リアルエロってジャンルはもしかしたらちょっと禁句と言いますか、何故そこまで曝け出させるんだっていう禁断のジャンルのような気がするんです。TOHJIRO監督はわざわざ大変な方に・・・本当にコミュニケートするような方向で作られているのは、そこまで求めない通常のAV・・・演じてればいいという物に対して嫌気がさしたような瞬間っていうのがあったのかなって思ったんですけど・・・何故“リアルエロ”だったんでしょうか?・・・もしよろしければ教えて下さい・・・ 

―TJ
はい。あの・・・出発がね、僕の場合は20年ですけれどもAVに関しては。映画なんですよ。 

―東山
“ゴンドラ”ですね 

―TJ
ええ、「ゴンドラ」以前もそうですけれども、映画業界とか・・・もう、中学出て円谷プロでミラ―マンの美術部のバイトで入った所からの出発で、ず〜っと若い頃は映画しかなくて。だから一回も若い時分にAVとか・・・エロですよね?エロに関わろうと思ったことってないんですよ。で、どっちかって言うと映画もいわゆる娯楽映画とかアクション映画とか色々あるけど、まぁ、あんまりそういうのには興味なかったから。どちらかと言うと、ロシアのタルコフスキーとか、わりと私小説というか、詩って言うかね、映像詩みたいな人間の心の中の心象風景を淡々と見せているような映画とか、ヨーロッパ映画のあんまりドラマチックな展開が無いような、普通の奴は眠くなっちゃうようなのが好きだったんだよね。 

―東山
ええ。 

―TJ
わりとだから普通の人間の心の奥底の・・・やっぱりね、悩みとか・・・その、外と内って言うかね、いわゆるコミュニケーションが出来ないとか、その、引き篭もりとかもありますけど、そういう“閉ざした人間の心の中”みたいのを映像で見せるっていうものに凄く興味があった部類だったもので・・・。ところが、まぁ、本当にひょんな事から「ゴンドラ」の後にAVに関わるんですけど、まぁ、たまたま撮らないかって事になって。「ゴンドラ」の借金も物凄くあったんで、じゃあ、一回やってみようかな・・・ってとこからやったっていうかな?始めてから20本程AVってのをお借りして見たんですけど・・・まぁ、つまんなかった。 

―東山
はぁ・・・ 

―TJ
20本全部一緒だったから。全部これショーだなと。それは最初に見たときの感じ。誰が監督でも一緒だし、本当に何も変わんないし。で、自分が撮ることになった時に“こういうのは撮りたくないな”と思って。“人間を撮りたい”と思ってやりだした時に、あの〜、レンタルメーカーさんでしたけど、すぐ『人の金で芸術やりやがって』って出入り禁止にすぐなるんですよ。で、2社ぐらいでやったんだけど、もう、すぐ両方ともボイコットされまして、クレームつけられまして。ただ、発売したら売れたんですよね!その彼らが『アダルトビデオじゃない』って言ったものが凄く売れた。で、売れたらその次の月かな?年・・・ワー!って気が付いたらね、引っ張りダコになるんですよ。 

―東山
はぁ。 

―TJ
で、まぁとにかく引っ張りダコになって、いっぱい狂ったように撮りましたけど、その当時僕に依頼されるのがドラマ物が多かった。それは僕は映画畑だったんでね、ドラマをきちっと撮れるAVの監督さんがあんまりいなかったってのもあったんでしょうけど。で、そんな風になっていく中で、夢中にやったわけですよ。僕はやっぱりそれがAVだとか映画だとか関係なく、やっぱり一本の作品を作ろうってんでね・・・必死にやりましたし、やっぱりその・・・AVの女の子達がどないなもんかもわかってなかったもんで、普通に一般作を映画で演出するのと同じように向き合って本気になって、彼女達も凄い頑張ってくれて、何日も徹夜とか、もう、2日撮りが4日になるとか5日になるとかもういっぱいあったんですけど、そういう中でやりましたよね。でも、その中でね、20本近くやった時に、もうすぐ一つ僕の中で壁が出来るんですよ。壁ができたんですよ。それが何かと言ったら、まぁ、ドラマ物のエロを撮ってたんだけど、当時90分作品くらいだとしたら、絡みが65分とか・・・70分とかあって、ドラマの部分は15分とか20分くらいなもんなんですよ割合が。すると、ドラマの進行があってポコッ!っといきなり絡みになると、絡みはリアルタイムな割合となるわけ。で、また現実に戻るわけ。ドラマに戻るんだけど、普通“戻れないだろう”と・・・。 

―東山
はい 

―TJ
ドラマは端折ってるのに、ジャンプしてるのに、その、エロは15分とか20分あるわけですよ。すると、なんかそこら辺くらいから『エロのドラマの作り方』ってぇのは、ちょっと違うんじゃないかなぁ・・・って、思い出したんですよね。 

―東山
ん〜。 

―TJ
で、そこら辺からかなぁ?あの・・・抜本的に変えようって言うか、男と女のセックス自体をドラマと想定しようと・・・。だから、ドラマっていう説明があって絡みがあるって発想じゃなくて、男と女がエロをする事をもう、一つのドラマっていう風に捉えて作ろうと。・・・そこら辺からかなぁ?僕の中で凄く変化が起きてくるのは。 

―東山
はい。・・・なるほど。 

―TJ
うん。 

―東山
逆に言うとあれですかね?その、先ほど“ドラマからエロシーンになってしまうと飛んでしまう”って言う、つまり、AVというパッケージの中に“ドラマ”を入れていく時に、ドラマも中途半端になってしまってしまうぐらいなら、エロシーンをメインに・・・というような結論なんでしょうか? 

―TJ
ん〜・・・まぁ、あれですね、わかりやすく言うと、さっき円谷の話しが出ていましたけど“怪獣ドラマ”ですね。 

―東山
はぁはぁはぁ 

―TJ
ウルトラマンで、ウルトラマンと怪獣の対決じゃなくて、特捜隊やなんかのドラマがすごく長かったら子供見ないですよね? 

―東山
見ないですね・・・ 

―TJ
早くウルトラマンが出て早く怪獣が出て対決して欲しいですよね?怪獣が暴れて欲しいですよね?これに近いと思います。 

―東山
なるほど・・・。 

―TJ
だから、さっきのお話にあったね。その〜、声優さんの話がありましたけど、チュパチュパ、フェラチオが一杯するものは飛びつくけど、そういうのばっかりは彼らには、彼女達にはさせずらいって言ったじゃないですか? 

―東山
そうですね。 

―TJ
感覚としてね。 

―東山
はい。 

―TJ
で、僕の中では、その〜、何ですかね・・・。やっぱり僕自身も映画屋だったもので、どっかの部分、やっぱり台本書いて、セリフがあって、シナリオがあって、“この芝居はね!”って演技をつけて、セット・美術はこうで、衣装はこうで、って言ってる部分が自分にとって演出であって。で、エロに関しては、やっぱりそのプロの男優さんにこういう絡み入れて欲しいとは言うけど、やっぱり、どっか、エロの部分はその当時はまだ素人だっていうのがあったから、お任せするしかない部分があったわけですよ。 

―東山
はい。 

―TJ
ところが、やっぱりその〜、今の部分にぶつかってから、どんどんどんどん考えが変わっていく中で、エロシーンこそ自分が味付けしなきゃいけないというか・・・。 

―東山
はあ、はあ。 

―TJ
だって、90分あって、90分のうちの70分絡みとしたら、70分ある部分を自分の色で染めなければ、自分の作品じゃないじゃないですか! 

―東山
はい。 

―TJ
それが凄く出てきて。エロシーンを自分が構築するっていう。エロプレイですよね?そこに凄くのめり込むようになったんですよね。 

―東山
はあ、はあ〜。 

―TJ
そうするとだから、本気でそのエロシーンを描写してくっていう・・・男女が。女同士でもいいですけど。そこに夢中になりだした時に、何かがやっぱり変わったんでしょうね〜・・・。

?






【かがりちゃんとAV女優】



―東山
あの〜、先ほど映画畑だったって話を聞きましたけど、TOHJIRO監督がどのようなものを見てきたかっていうので、その〜、フランス映画だったりというのがありましたけど、ちょっと納得しましたね。どうしても『心』まで行きたいんですよね監督は・・・。 

―TJ
ああ〜、要はだからあれですよ。「ゴンドラ」の時にね。「ゴンドラ」って映画をちょうど29〜30の時に5千万借金して撮りましたけど、あの時の主役の女の子っていうのは、本当にこの麻布の、麻布小学校に行って、閉鎖症で、イジメられて。もう小学校の2年、3年から学校に行けてない子を使ったんですよ。 

―東山
あっ、本当に自閉症の・・・。 

―TJ
うん。本物なんですよ。 

―東山
わ〜ぁ。 

―TJ
で、本物の子を使って、もちろん親御さんの理解もあったから出せたんですけど。彼女と実際に2年、3年付き合って。映画に出して。結局、(撮影期間)丸一夏以上ですから・・・実際に撮れたのは彼女が6年生の時ですけど・・・そん時も学校行ってなかったですけどね。 

―東山
はい。 

―TJ
んで、その次の年、中学になる時ですけど、50人からのスタッフと、役者さんと、その青森の下北と東京の撮影で50日ぐらいやった後、色んなことありましたけど、その次の年、普通科の中学校に、義務教育に彼女は行かれるようになるんですよ。その集団の中で、何かを見つけるんですよね。 

―東山
はい。 

―TJ
それは、あの〜、本当に口でどうのこうの言うことより、彼女も一員として参加して、要するに彼女の存在がその「ゴンドラ」っていう本を書かせてくれたわけだし、彼女から産まれたものだったし、どうしてこの・・・内側に閉じちゃって、人とコミュニケーションできなくなった子がね、その窓掃除の、窓ガラス一枚隔てた内と外の、どっちも人と口がきけなくなってる二十歳の兄ちゃんと10歳ぐらいの女の子が出会って、そこから彼女の死んじゃった腐っていく文鳥を、お兄ちゃんの下北半島の海に水葬しに行くだけの話しですけど、他に何もないんですけど・・・ 

―東山
はい。 

―TJ
このことを体験して彼女が、何か人間関係っていうのが、今までの閉鎖した状態からオープンになれて、次の年から普通科に行かれるっていうね・・・だから、今にして思うとですね、僕はAVっていうのに入りましたよね。で、入って。当初の予定は別に、本当に何本かやったら別に映画に戻ろうって思ってましたから。映画をやろうって思ってましたから。実は次回作の準備も始めたりしてたんですけど・・・だけど、気が付いたときに戻れなくなるんですよ。 

―東山
あっ、そうなんですか? 

―TJ
AVにハマったんですよ。 

―東山
はい。 

―TJ
んで、何にハマったかというとAVに流れてくる女の子達にハマったんですよ! 

―東山
はあ。 

―TJ
その芸能と言われるところの一般のタレントとか、役者をやってる子より、AVに流れてくる子達が、その「ゴンドラ」で撮った、かがりちゃんっていうブキッチョで、生きることが下手な、人と関われない、傷ついた女の子達と凄く似てたんですよ! 

―東山
はい。 

―TJ
お金の為にAV女優やってる子なんて皆無なんですよね!

―東山
はぁ〜。 

―TJ
何でやってるの?っていうと、お金っていうと凄く楽だけど、実は違うんですよ!! 

―東山
僕らは正直、そう思ってますよね・・・。 

―TJ
思ってましたよね!皆そう思いますよね!? 

―東山
訳があって、お金に困ってとか・・・。 

―TJ
違います!何でAVに入ってくるかというと、90%の子が、幼年期の家族なんですよ。 

―東山
はあ〜。 

―TJ
心の傷なんですよ!!子供の頃に、心の中に空虚な穴がポッカリ開いた子が、自分の居場所がなかった子が来るんですよ! 

―東山
はい。 

―TJ
僕はここに出会っちゃったんですよね!! 

―東山
もう、それじゃあ、アレですね。シナリオ書いて、設定を描いてじゃなくて、そのままの素材で、既に人間ドラマがあって・・・。 

―TJ
あったんですね〜。 

―東山
だから、TOHJIRO監督の場合は、作品に入ってから監督じゃなくて、女優さんと出会ってから、ドキュメンタリーのような状態でずっと見るんですね。 

―TJ
そういうことですね。 

―東山
はあ〜、それは凄いですね〜。 

―TJ
で、その子によってなんですよ。全部。皆違うんですよ。100人いりゃ100人みんな違うんですよ。同じ人間はいないわけですから。 

―東山
はい。 

―TJ
だから、同じプレイを例えば、あてがっても同じリアクションの子はいないわけですよ。違うわけですよ!・・・それが面白い!!で、気が付いたら浦島太郎になっていたわけですよ。 

―東山
はあ〜。あの〜、僕は、TOHJIRO監督にはもちろんお会いしたいと思ってましたけど、一般作というか、邦画を撮られてたっていうのは、これはもの凄いキャッチだったんです。僕の中で。こういう経歴の方はほとんどいないだろうと。 

―TJ
うん。 

―東山
ただ、何故、映画を撮られている方が、それ以後撮らずに、20年もの間AVを情熱的に取り組むのか?っていうことが、どっかでクエスチョンだったんですね。でも、今のお話を聞いてものすごく納得しました。 

―TJ
映画に関して言うとね。もう撮らない気じゃないんですよ。これからも撮ろうと思うんですけど、口出されるの嫌なんですよ。 

―東山
(笑)ああ、はい。 

―TJ
一切!だから全部自分の金でやりたい! 

―東山
はあ〜。 

―TJ
だから次、ちょっと考えてるのは5千万の「ゴンドラ」じゃなくて、やっぱり何億かかかる。 

―東山
ん〜ん。 

―TJ
2億3億、4億ぐらいかかる。 

―東山
4億ですか!? 

―TJ
かかりますね。だからそれは自分の金でやりたい!!






【進化するハード・退化する心】



―東山
TOHJIRO監督は、やっぱりその〜、映画を見てた頃にインプットされたことっていうか、自分が共感したことっていうのが、ず〜っと続いているんですね。ですから、あの〜、生身の人間の心だとか、ドラマに触れるということを前提として作られてるんだな〜、という気がしますね・・・いないですよね。そういう方はAV業界で(笑)・・・ 

―TJ
いや、AV云々よりも映画業界がいないでしょ?僕の中で映画っていうと、本当に、黒澤明だったり、小津安二郎だったり、成瀬巳喜男だったり、今村昌平だったり・・・それ以外認めてないですよ。 

―東山
あの〜、僕は黒澤映画は30歳を越えてから観るようになったんです。で、メチャメチャ面白かったんですよ。で、一気に古い作品をレンタルして観たんですけど、何でこんなに大胆にブッタ切っちゃうんだろう?とか、今の映画じゃ絶対に見れないカットをしたり、あと、平気で永延と無駄にみえるようなシーンが長かったりとビックリしたんですね。・・・それからみて、今の邦画というのは、はっきり言ってお金の為に作ってる感があるんですね。 

―TJ
うん。 

―東山
まず、原作が売れてる。それが映画化された!っていう・・・純粋に、これは映画じゃなきゃ出来ないんだ!っていう作品が減って、商業ベースに乗って広告をバンバンやると。もちろんハリウッド映画のように、客の心理を読んで、どれがお客が喜ぶパターンかって研究するのもいいんですけど、ただ、その結果、どれも似たような解り易いものばっかりになってしまったように見えるんですね。何で、今の世代の僕がわざわざ黒澤映画に戻っているのかって、進化されてないのかなって思うんです。 

―TJ
いや、進化してないでしょ!まあ、だから、ハードはねぇ、確実に進化してるじゃないですか?色々ね。だけど、人間の能力自体は退化してるでしょ。 

―東山
なるほど。 

―TJ
今、言った、何が何でもこれを叫びたい!っていうメッセージですよね・・・それがないですよ。その信念がきっとないんでしょうね。でも、それは映画の世界、クリエイティブな世界だけじゃなくて、アスリートも一緒じゃないですか?同じだと思いますよ。 

―東山
はい。 

―TJ
先日、たまたま王監督が引退表明したけど、長島・王が出てこないじゃないですか?猪木・馬場が出てこないじゃないですか?大鵬が出てこないじゃないですか?で、それはやっぱり時代じゃないですかね?その、ボクサーもそうですよね、昔の大場みたいなのも出てこないし、何ですかね?そういう本当の意味での思いのある人間っていうのが、凄く減ってるんじゃないですかね。薄くなっているというか・・・。 

―東山
僕は監督の時代よりも後ですから、ファミコンからプレステ3まで見てきてるんですど、もの凄く綺麗な映像なんですよね。ただ、そういう進化確かに凄くしてるんですけど、作ってる方も相当頑張られて進化してるんですけど、人間の心だけは先ほど監督が言ったように退化してると。じゃあ、ハード面とかそれにまつわるソフトも映像も綺麗になっていったけど・・・。それで、今の時代の事件等々見たらですね、とりあえず思考回路だけはみんなものすごくスピードアップしたと思うんですよ。逆に言えば、地道な作業を省きたいという合理主義かもしれないですけど・・・。その合理主義の中で、いわゆる昔で言う“井戸端会議”や“町内会”のようなコミュニティも含めて『面倒くさいな』っていうのはあったんだと思うんです、当時の人たちも。ところが、出来ることなら・・・これは脳が判断しているのかもしれないですけど、合理的に核家族にして、プライベートは守りたい。楽ですよね。でも、やってった果てがこれかよ!って僕は思うんですよ。確かに、個人では楽になって誰にも干渉されないけど、“面倒くさい作業省いたら人間味欠けちゃった”って言うんなら本末転倒だなって気はしますね。 

―TJ
うん 

―東山
だから、監督の仰ることを聞いてて、僕も監督と一緒で、僕はクリエーターが・・・素人考えであれですけど、時代が悪いのはクリエーターが元気ないんだって僕はいつも思って、自分にも言い聞かせてるんですよ。娯楽が面白くないから国民は元気がないんだって。クリエイティブにいる人間だっていう自覚である以上、その業界を批判してたいってのがあるんですね。もっと、“この映画があったから俺こういう風に元気になった”っていうようなものって、個々人ではありますけど、全体的になった時には全然そんなものに影響してなくて、“あぁ、面白かった”って終わりですね。それも本当にセンズリAVみたいなもので、楽しいってだけで終わってるんですね。 

―TJ
うん 

―東山
ただ、結局なんか一人一人の気持ちがそうやって合理主義にいった果てに、心がずっと置いてけぼりくらって退化してるってこの現実の中でTOHJIRO監督はどこに向かうのかなって思うんですよ。そしたら、リアルエロだったり人間ドラマを前提としたAVだったり・・・あの、TOHJIRO監督が仰った、感じてもない女・・・女優さんがアンアン言ってそれでせんずりしてる子達が俺は可哀想だと思うって、僕はかなり強烈でしたね。 

―TJ
うん。 

―東山
作ってる人からそれが出てきたのは嬉しかったですけど。 

―TJ
うん。だから、本当にね、嘘つかしてるからね。で、その嘘を見させて興奮させりゃあいいってバカにしてるからね。なめてるからねそれは。 

―東山
それは、作りや演出なんだって理屈ももしかしたらあるかもしれないですけど・・・。 

―TJ
うん。あるんでしょうね。でも、演出だったらまだいいんだよ。演出だったらいいんだけど、“そんなものでどうせいいんだ”っていう・・・馬鹿にしてる。 

―東山
そうですね 

―TJ
“どうせあいつら女なんて解ってねぇんだからいいんだよ”っていう、“解りやすくすりゃいいんだよ”っていう・・・で、それを、鵜呑みにしなきゃいけない、『嘘か本当かも見抜けない目』ってのが可哀想って事。だから、インチキ商品・・・期限が切れてんのに食わされて腹も立てない、同じじゃないじゃないですか。バレなきゃいいんだよ。バレなきゃもう期限が切れてても食わせりゃいいんだっていう企業と同じでしょう? 

―東山
はい 

―TJ
そこが腹が立つって事!・・・やっぱり、お金を払って買ってもらう物に対して責任を持ってないってとこがね、すごく“いいのかよ?!”って思うと、その事に対して凄く怒りがありますよね。






【トランス】



―東山
あの、イベントの中で最近のAVは、昔のポルノ映画あーいうものよりも酷いんじゃないかっていうような・・・仰ってたと思うんですね。 

―TJ
うん 

―東山
で、僕もちょっと同感なんですよ。ツタヤに行ってず〜〜っとAVコーナー見てたんです。で、まぁ、そこそこデカイ店舗だったんですけど、AVは2本借りたんですけど、ポルノ系は3本借りたんです、僕。で、ため息ついてたんですよ。『くっそ〜、面白くないなぁ〜・・・AV面白いの借りさせてくれないなぁ』って。どれも同じようなものばっかり。ポルノは少なくともエロスという独自の世界があって、その主張を映像化するんだってのもあるから、例え疑似でもエロイのかもしれないですよね。ただ、ポルノでもないAVだ!って言ってて、そういう偽物の演出が入る。これだと、僕なんかは面白くないと思いますけど、やっぱり、実際にそこそこ売れたりしてるんだと思うんです。だから同じようなもの作るんでしょうけど、これでは確かにユーザーは何が本物かはわからなくなる・・・目隠しはされていると思います。数が多すぎるからですよね、そういう物の。 

―TJ
そうなんですよ。 

―東山
一部だったらいいんですけど、半数以上がそういう印象があります。・・・TOHJIRO監督は例えば、おしっこ、尿物が多いですよね? 

―TJ
うん。 

―東山
よくレビューであるんですけど、疑似かどうかっていうのが、おしっこファンの中にあるんですよね。『なんだよあそこのメーカーまた疑似だよ』って。TOHJIRO監督は疑似を使った事はあるんですか? 

―TJ
ないですね。 

―東山
それは、例えばユーザーを誤魔化さない、ユーザーにそのまま届けるためなんですか? 

―TJ
いや、ユーザーに云々じゃないですね。例えばおしっこっていうのは女の子に飲ますとか、かけるって事ですよね? 

―東山
はい。 

―TJ
それに関して言うと、だって、嘘物のお茶をかけたって、その女の子は追い詰められないじゃないですか。 

―東山
あ〜・・・はい。 

―TJ
違います? 

―東山
そうですね。お茶だと思ってますからね。 

―TJ
お茶を口にがんがん入れられたって、別に“お茶”でしょ?でも、これは本当の目の前で出されたションベンを浣腸器に入れられて、これ1.2L飲まされたら違いますよね? 

―東山
嘘偽りない表情がそれしか撮れないんだって言うところで単純に撮ってるっていう事ですか・・・ 

―TJ
だから、なんで別にションベンでも糞でもゲロでも何でもいいんですけど、何でそいういう事を仕掛けるかって言うと、その子の中のいわゆる“自意識”というか、色んな意識を・・・リミッターを外したいんですよ。壊したいわけですよ!!だから、その子が普通の状態よりも針を振れちゃって、本当にどっかトリップさせたいわけですよ。 

―東山
はい。 

―TJ
こんな事がいいとか悪いじゃなくて、その針が振れた時、その子の中から何が出るのを見たいわけじゃないですか。そしたら嘘物だったらそうならないですよね? 

―東山
『あ、これお茶ですけどおしっこって設定ですから』ってやるわけですもんね。でも、本当のオシッコだっていうところで“あぁ、そうなんだ”ってところがもう違うっていう事ですかね? 

―TJ
まぁ、根本が違う。例えば、嘘のお茶でもお茶かけ出して“ヤダ!やめてぇ!”っていうリアクションがその監督さん達は撮りたいわけでしょ? 

―東山
はい。 

―TJ
別に僕は“ヤダやめて!”を撮りたいわけじゃなくて、その子が喜んで受け入れるのか拒絶するのかわかりませんけど、その先のその子が見たいんだから。 

―東山
じゃあ、あの、TOHJIRO監督は青写真はもう描かれてるんだと思うんですね、頭の中では完成まで出来てるんだと思うんですよ・・・。いざ撮り始めた。思わぬ所で思わぬ表情した・・・それがもう嬉しいとか・・・ 

―TJ
逆に言えばもう青写真はないですよ 

―東山
あ、作らないんですか? 

―TJ
無いです。台本ないですよ。 

―東山
・・・台本ないんですか? 

―TJ
うん。だって、どっちに転がるかわかんないじゃないですか? 

―東山
はい 

―TJ
だから、拘束椅子にしかり、彼女がリアルエロをやった時、例えばイケないで全く何も起きなくてもそのまま終わっていい!って覚悟です。だからようは鷹さん(AV男優・加藤鷹)とも話しますけど、イラマチオする時に彼女がもう本当にやれなくて、“もうここで帰りたい。冗談じゃない!!”ってなったらもうそれで終わりでもいい。僕の中ではなだめすかして、“もうちょっと頑張って辛いけどやってよ!”ってやった事は一回もないですね。それでもし彼女がブチ切れて、“冗談じゃない!こんな事までしてやりたくないわ!”ってなるんだったら、もうそこで打ち切りで、中止でいいと思ってます。僕、いつもその覚悟ですよ。だから、予定調和はないですよ! 

―東山
はぁ〜・・・。あの、ある程度数をこなしてらっしゃるような女優さんをかなり使ってきましたよね?その場合すでにTOHJIRO監督とやる前にいわゆる僕らがいう普通のAVは散々撮ってきて 

―TJ
いっぱいやってますよ。 

―東山
ところが、TOHJIRO監督と会って話し聞いてるうちに“ぅわ、全然違うこれは!”って事になるわけですよね? 

―TJ
そういう事です。だからよく言うのは、彼女達とよく話すのは、彼女達がやってきたのはプロレスなんですよ。ロープへ振って、返ってきてチョップをくらったら痛がらなきゃいけない。そのお約束をやってきてるわけでしょ?で、僕の時は総合格闘技だから。まったくない。それが。だから、ロープへ振って返ってくるとか、そういう事はまったくしないでくれと。感じなきゃず〜〜〜っと今日一日ピンもスンも声出さないでいいから。 

―東山
はぁぁ〜〜〜〜・・・ 

―TJ
だから、そうすると彼女達が一番最初に戸惑うのは、そんなに沈黙があったら間が持たなくなるんじゃないかって。何かしなきゃいけないいんじゃないかって思って 

―東山
プロだったら思いますよね。 

―TJ
パフォーマンスを今まで要求されてきたから。それをしないでいいよ!って言われたことに対して凄いびっくりする。 

―東山
それはびっくりしますよね〜・・・。 

―TJ
だから、その戸惑いは最初ありますよ。でも、それが馴染んでくるとこっちの方が楽ってなる。 

―東山
はあ〜。 

―TJ
だって、カメラがどこにあるのかなんて全くわからない。最後、ビックリする。初めてわかる。いつ始まって、いつ終わったかわかんない。そんな風になったことない。いつもカメラの位置がこうだから、目線はこうしろとか、顔の角度だとかそんなんばっかり言われている。 

―東山
見せ方ですね。 

―TJ
フェラチオはチュパッチュパッ音出せとか、髪を直せとか、そんなこと言われている。もう夢中にやって、髪がどうなってもいいわけだから。その違いに戸惑いますけど、ハマるとこっちの方がよくなりますよね。自分を作らないでいいことにハマんですよ!!自分を全部さらけ出していいってことに快感を覚えてく。中毒になっていくんですよ。 

―東山
凄いですね〜。監督はそれをやってきたわけですね。 

―TJ
毎回そうやってやってるんですよ。で、トランス状態が究極にくると、その子達、色んな子がいるんですけど、こないだなんかはね。最後。クソ汁の中で、イキまくった後、泳いでるんですよ、中で。 

―東山
はあ。 

―TJ
んで“何やってるの?”って。そしたら“気持ちいい”って。 

―東山
トランスですねまさに(笑)。 

―TJ
うん。それで終わった後“お前どこ行ってたの?”って言ったら、“お母さんの子宮の中に戻ってた”って。“羊水の中にいた”って・・・ 

―東山
“(羊水の中に)いた”って言ったんですか・・・。はあ。 

―TJ
で、“そのときが自分が一番愛されていた“って。 

―東山
あの・・・何でしょうね。自己解放を完全にした状態の安堵というか、そういうものがそういうような感想に現れるんですね〜。おそらく。 

―TJ
その子は、逆に、凄くイイトコのお嬢様で、親が司法書士で、金持ちで。で、小学校時代も全部ベンツで送り迎えで・・・。 

―東山
はい。 

―TJ
親が全部がんじがらめに、ピアノのお稽古から何からあって、人前で泣くことは恥ずかしいこととか。全部、制限があって・・・。で、その子は何でトランスできたかって言ったら、ウンコを食べることですよ。 

―東山
はあ〜。 

―TJ
一番この世の中でさもしい最低だと思われる、親が一番悲しむことを自分がやった時、何かがクラッシュできたんですね。 

―東山
はあ〜。TOHJIRO監督がもう怖いですよね!要するにこう、本当のありのままを、潜在意識とかっていう中にあるものを出させるわけですから、 

―TJ
うん。 

―東山
ちょっとこう。まあ、パッケージになるとAVにまとめられてますけど、本当にドラマを撮ってるんですね! 

―TJ
うん。だと思います。まあ、だから、今、ジャンル分けするとアダルトっていうカテゴリーの棚に並べられちゃいますけど、僕自身はAVを撮ってる感覚はないですね。 

―東山
はい。今だったらわかります。 

―TJ
うん。そういう意味では人間の、あの〜、カウンセリングですね。セラピーですね。 

―東山
だからこう・・・。人が想いを伝えるとき、本当の胸の内を話し切った時って涙が出てきたりしますよね?それを撮られてるんですね。 

―TJ
うん。それが、エロと凄く関係してるってことなんですよね! 

―東山
はい。 

―TJ
エロスっていうのが、人間を本当に解放することに凄く大きいってことなんですよね!






【TOHJIRO組】



―東山
監督は本当に新しいジャンルを作られたんだと思うんですよ。ジャンルといいますか、これがあるんだよ!っていうものを作られたんだと思いますけど、だから、挿入シーンなんかで一番エロイのは、僕はTOHJIRO監督の作品の挿入シーンだと思ってるんですね、挿入シーンで言えばですね。 

―TJ
SEXですね。 

―東山
はい。それは、やっぱりリアクションなんですよ。 

―TJ
うん。顔ですよね。 

―東山
はい。んで、始まって“アー、アー、アー、”っていうのが延々続いて、“イクー、イクー”って発射して終わるんですよね、どれも。 

―TJ
うん。 

―東山
ところがTOHJIRO監督の場合は、僕はオナニー好きなんでSEXは余り好きじゃないんですけど、その僕が“入れたい!!”って思うんですよ。TOHJIRO監督の挿入シーンを見てると。それは、そういうポリシーで作られてるから、女優さんが本気を出してくるってことですね。 

―TJ
まあ、そういうことですね。で、僕自身も撮ってる時に、“この子愛おしいんだ”って。今、“入れたい”って言葉が出ましたけど、“抱きたいな!愛おしいな!ギュッとしたいな!”って気持ちになんないとしたら、その子撮らないんですよ。撮りたくないもん!俺がやっぱり“この子は凄くいいな!”って、ドキドキさせてくれなかったら、撮りたくないですよね! 

―東山
はい。 

―TJ
だから、ドキドキさせるその子のいい面を見たいじゃないですか。それだけですよね。 

―東山
そっか〜。いわゆる演出って言われる・・・まあ、効果といいますか、“ここでこういう言い方でこうしたらエロイからやってね!”っていうことを、まあ、どの世界でも映像の場合は多いと思うんですけど、そういう本当の心から始まる演出っていうのが、僕は成立しないとどこかで思ってたんですよ。もの作りは全部作らなきゃいけないって思ってたんですけど・・・作れるんですね。 

―TJ
作れるっていうか、僕の場合はだから自分が作った中に押し込んだり、あの〜、押し当てたり、押し付けることはないですよね。待ってますよ。その子の中から出るものを待ちますよ。出てきたらそれをピュ!っと僕は拾ってあげるっていう作業ですよね。 

―東山
はあ〜。 

―TJ
だから、もしかしたらこれは凄く凡戦になっちゃうな。小康状態がずっと続いてみたいな、九回二死までそういう状態が続くことがある。でも!その九回の二死から、逆転ホームランが出たり、ヒットが出るんですよね! 

―東山
はあ〜、もう僕らが思っているAVとは全然違いますね! 

―TJ
だけど、それはもしかしたらこのまんま凡戦で、ドローで終わってもそれは仕方ないって気持ちでもう覚悟してますから。何も盛り上げるドラマチックな終わりにしなくていい!!って僕の中で思ってますから。 

―東山
はい。 

―TJ
だから、きっとそうなんでしょうね!なんで、イラつかないですよ!それはそれで運命(さだめ)だと思ってるから。その子が、最後まで腹を割らないんだったら、それはそれじゃないですか。シャッターを開けたくないんだったら! 

―東山
う〜ん。 

―TJ
だからもう、闘いですよ!! 

―東山
(笑)。凄い・・・。 

―TJ
もし、ちょっとでもシャッターが1mm開けば、すっと指が入って開けますよ!でも、この1mm、開かないところに、指を入れるのはもう不可能なんですよね。 

―東山
うん、うんうん。 

―TJ
だから、もう、シャッターを閉めたい奴と・・・ドロボーですよね。このせめぎ合いですよ。鷹さんも同じですよ。彼がどんなに鉄人であっても、彼女がシャッターを開けない状態だったら、指が入んないですよ。 

―東山
う〜ん。 

―TJ
だけどそれは別に、マンコに指を入れても心は開かないんですよ!その心の鍵を開いてなければ、彼も無力ですよね。だから、同じ女の子を撮ったとしても、鷹さんが。他のAVの組に行って撮っても、つまらない平坦な、お約束の予定調和の絡みしかできなかったのが、TOHJIRO組に来るとその子が全く別になる。 

―東山
そうなんです。 

―TJ
それが重要なんですよ。 

―東山
同じ女優さんなのかって思うんです。 

―TJ
うん。同じ女優で、同じ加藤鷹さんでも同じものじゃないんです。それは、鷹さんも俺と組んだ時は本気なんですよ。何でかって言ったら、別に僕との付き合いが云々じゃなくて、僕がみたいのは“本当の加藤鷹のSEX”を見たいから。でも、他所はそれを要求してないじゃないですか?彼にショーをやってもらえばいいわけですよ。チンポでいいわけですよ。それは、彼は違うじゃないですか。それは彼も心が違うってことですよ。自分を本当に必要にされているか、絵図らの一つとしてチンポだけあればいいと思われてくるのとは、違うじゃないですか。生きがいが、やりがいが。その違いですよね!

―東山
はあ〜あ。 

―TJ
だから、例えばわかりやすく言うと。ザーメンをかけだけにくる、汁男がいるじゃないですか。他所の現場に行くと、彼らは、終わったら早く帰れよ!みたいな態度されてる。露骨なんですよ。 

―東山
はい。 

―TJ
でも、ウチの組は一緒なんですよ。女優さんも、男優さんも、スタッフも、汁男で来る子も、みんなチームなんですよ。だから極端な話、俺の組は、汁男で来る子にもメシがちゃんと出ますよ。 

―東山
はあ〜。 

―TJ
だから、そうすると。撮影が終わるじゃないですか。自分が出した後も、そのシーンいますよ。女の子終わった後、みんな拍手してますよ。 

―東山
いいっすね〜。 

―TJ
で、次も呼んでくださいって言って。みんな拍手して帰りますよ。 

―東山
はい。 

―TJ
で、それは彼らも人間だってことですよ!! 

―東山
ですね。 

―TJ
で、必ず、大人数が、30人が来ててくれても、20人が来ててくれてても、みんなのその、汁男優君の部屋に僕は行って、現場前に“頼むな”って!“本当、濃いの出してな”って。“お前らの一発が作品決めるんだよ!”って、語りに行きますもん。それは、まずみんなしないですよ!エキストラに語りかけに行かないのと同じですよ! 

―東山
う〜ん。 

―TJ
でも、それは、やっぱりダメですよね。 

―東山
うん。あの〜、やっぱりその場の空気って、そこにいる人たちによってどうにでも変るものですからねぇ。 

―TJ
変りますよね。 

―東山
目に見えないものですけど、例えば5人いたら、5人がやる気満々な時と、5人が“いや、仕事だから”っていうようなクールな、まあ、冷めたような目で見てれば、それが波及して全然空気が悪いっていう・・・ 

―TJ
うん。 

―東山
TOHJIRO監督がやろうとしてることは、本当に、人間達が人間の心で解放させるっていう、それを絵として撮る。監督は一番遠くからずっとそれを見てるってことですね。 

―TJ
うん。 

―東山
かあ〜、もうAVのイメージではないですね。それは・・・。







【TOHJIRO監督・16歳の原風景】



―TJ
それは、僕が16歳の時に、初めて、その〜、ミラーマンの現場とか関るようになったときにね、特撮部門でしたけど、一番感じたのは、僕はやっぱり小学校の5・6年の時に、映像ってものに凄くハマったのは、チャップリンだったんですよ。 

―東山
はい。 

―TJ
チャップリンの『キット』とか『ライムライト』を見たのが出発だったんですよ。で、俺も映像っていうか映画を凄くやりたいって心に決めて、そこからね、中学出て、円谷プロに入ったわけですけどね、アルバイトで・・・ 

―東山
はい。 

―TJ
そん時は、ちょっとショックだった。 

―東山
はあ。 

―TJ
みんなが燃えてないんで・・・。居ない奴の悪口。金のこと。弁当の文句・・・こればっかですよ。競馬の話、風俗の話・・・コイツら作ること好きじゃねえじゃん!って。 

―東山
はい。 

―TJ
作ることのミーティングだって本気にやってないんだもん。そっちの方が優先なんだもん。 

―東山
はあ〜。 

―TJ
俺は・・・凄く、16の僕はショックでした。 

―東山
はい。 

―TJ
んで、そん時心に決めたのは、自分が自分の組で監督をやるようになった時、誰一人、こういうこと言うような、空気の現場は作りたくないなっていうのが、あの16の時の僕の想いですね。 

―東山
はあ。 

―TJ
だから、未だに変らないのは、例えばAV誌の取材の人が一人、二人、三人入ることがあります。そういう取材で、その日来た奴もビーンと張り詰めて、夢中に見てくれないともう嫌なの。そいつがかったるそうな顔をしてたら、俺は気になってしょうがないから! 

―東山
ハハハッ(笑) 

―TJ
もっと言うと、やっぱ、こいつも楽しませてあげたい! 

―東山
(笑)。 

―TJ
誰一人その中にいる人間が、楽しめないと、凄い嫌なんですよ! 

―東山
その〜、16歳のTOHJIRO監督が“俺はこれはヤダ!”って描いた絵が、きっとみんなが熱があって、“よし、やろうぜ!”“今までにないもの作ろうぜ!”みたいなことがあって、それを今やられてるんですね。 

―TJ
うん。映画っていうのはそういう風に作ってる総合芸術だって信じてましたから! 

―東山
僕もそう思ってます。  

―TJ
今もそう思ってます。じゃないと嫌なんですよ!お金の為とか、云々関係ないですよ。 

―東山
はい。 

―TJ
僕はあの〜、スペインの、『ミツバチのささやき』って映画を撮った、ビクトリアエリセっていう監督さんがいるんですけどね。この人はもう、ほんと10年とか、15年に一本ぐらいしか撮ってないんですけど、普段学校の先生なんですよ。 

―東山
はあ〜!! 

―TJ
で、世界的にもの凄く評価の高い映画を、まあ、ほんとにまだ、3本とか4本くらいしか撮られてないと思いますけど、彼は普通で言うところの映画監督っていう商売をやんないんですよ。何でかっていうと、さっき言われたことで、同じなんですけど、職業にしたくない。自分の納得するメッセージしか撮りたくないからですよ。 

―東山
はあ。 

―TJ
だから、汚れちまったプロになるんであれば、なるんだったら。素人のまんまの方がいいっていうのが彼の持論なんですよ。 

―東山
へぇ〜・・・、そういう方もいるんですね! 

―TJ
いるんですね。僕は、凄く尊敬するし、僕もそうでありたいなって思ってますよ。 

―東山
あの〜、商業ベースの中で、やっぱり、そのTOHJIRO監督はドグマってものを作られたわけですよね。デマンド(AVメーカー・ソフトオンデマンド)から独立して。で、僕はそのデマンド時代のTOHJIRO監督からずっと知ってますけど・・・ 

―TJ
うん。 

―東山
そうするとドグマを守らないといけないってことで、ついつい、ついぞ、売れる物を・・・っていうのが普通だと思ってますし、そういう人を責める気もないんです。でも、クリエイティブなものを作りながら、きっちり会社も守れるってことは、物凄いことだなぁと思うんですよ。 

―TJ
うん。 

―東山
TOHJIRO監督は、それは迷ったこととかないんですか?会社存続の為にはっていう。それと自分のポリシー、16歳の時の様な純粋なポリシーありますね?それをぶつけて行ったら、先ほどの映画監督のように、逆にプロにならないほうがいいっていうのも一理あると思うんですけど、そこが交錯することってなかったですか? 

―TJ
いえ、例えばだから、ありますよ。まったく無いわけじゃなくて、さっきの音ドラマと同じように、やっぱり今の時代は、すごくドラマのエロで、ドラマを濃くするよりライブで、えげつないプレイの連続の方が数字がやっぱり取れるわけです。だから、同じでもドラマ物のエロで3・4日かけて一千万とかかけて、スッゴイ拘ったものを撮っても、それよりも、ほんとライブのえげつない物を撮ったほうが、何倍も売れちゃうんで。 

―東山
そうなんですよ・・・ 

―TJ
うん。だから、それは事実なんですよ。でも、その時に僕は悲観しない。それも認めてる。でも、多数決じゃないじゃないですか!じゃあ、こっちの数が少ない方を望んでる人がいたら、その人も“負け”じゃないじゃないですか。これは好みだから・・・。ただ、趣向の部分の好みが、いわゆるドラマのエロよりも、ストレートなね。だから、別に人数が少なくても望む者がいるんだったら僕はやってあげたいと思うし、で、今考えてんのは、こっちの“もっと儲かる物”はやって、この儲けた金をまわせばいいって発想ですよね。 

―東山
ん〜、そうですねぇ。 

―TJ
両方あっていい!って思う。 

―東山
はい。・・・あの、先程仰ったように、その、そっちのわかりやすい方といいますか、そっちが好きな人もいますし、 

―TJ
いっぱいいる。 

―東山
監督がこだわるような物を好きな人もいる。 

―TJ
いる。 

―東山
・・・そうですねぇ 

―TJ
だから、両方あっていいと思う。 

―東山
ただ、TOHJIRO監督の中では、両方あって良いけど、そこに愛があったり先程言ったような“ずっと見つめていく”と言うか、ずっと待ってあげるような目線は両方同じように・・・ 

―TJ
同じ同じ。 

―東山
同じなんだって事ですね。 

―TJ
同じです。 

―東山
こっちだから適当に作っていいやって気はさらさらないって 

―TJ
ないですね。・・・で、僕はさっき言われたハリウッド映画も100%認めてますね。あそこまで作りこむ“ザッツ・エンターテイメント”は良いと思う。 

―東山
はい。僕も思います。 

―TJ
僕は、それはそれで有りだと思ってる。ただ、『手を抜くなよ!』ってのがあるんですよ。どっちをやるんであれね。緩くやるのは嫌なんですよ。それだけですね。






【何故、作るのか。】



―東山
今回の企画は「表現の太陽」っていう企画なんですが、その〜、太陽という、純粋な、単なる“エネルギー体”と、“表現をしたい”“俺こういうのやりたい” というエネルギーは似てる。自分でも止められない衝動というのは、理屈のないエネルギーだと思ったんですね。で、後で、そのエネルギーに戦略ですとか、“こういう風にしようか”“演出はこうしようか”ってあるかもしれないですけど、クリエイターの皆さんの『どうしても撮りたい!』とか、『俺はこれだ!』って純粋な部分に触れたいって思って、“表現の太陽”ってしたんですよ。 

―TJ
うん。 

―東山
僕はTOHJIRO監督に、太陽と言いますか、単なるエネルギー体としてもう自分でも止められない、“こういうの撮りたい”先程仰って頂いたように、『俺それやだわ』って。俺は彼女達の、もしくは彼ら達のハートありきでしかやらないんだって仰っているその気持ちが、何か感じて、僕はどうしてもこうやってAV監督の枠はTOHJIRO監督なんだ!って決めたのは多分そこなんだって今実感してるんですね・・・。それを、きっちり20年活動を続けて、しかもだんだん凄くなっていってるじゃないですか!?何なんですかね?TOHJIRO監督が・・・あの、今52歳ですか? 

―TJ
うん。52ですね。 

―東山
あの、TOHJIRO監督のそのパワー・・・僕らの世代から下はですね、そんなパワーないんですよ。って言えちゃうんですよ。やっぱりこうやって。で、僕の場合は“怒り”がパワーだったりするんですけど、『俺はやだ!俺はこういうのやりたい!』とか色々怒りがパワーなんですけど、僕らよりもうちょっと(下の)世代になると、もっとこの怒りも消えうせてるんですね。会話をすると。クールに合理的に賢く考えてるんですけど、話してて全然つまらないんですね・・・。TOHJIRO監督のパワーは、何処から来るんでしょうか?52歳になってもず〜っと作り続けられるっていう欲求・・・。何かゴールがあるとか、“最終的にこれがあるから俺はそこに向かってるんだ”っていう動機付けがあるのか、よろしければちょっと教えて欲しいんですけど・・・。 

―TJ
多分ね、今言われた質問というのは・・・僕自身もわかんないですね。その、何が自分をこれだけ駆り立ててるのかっていうのは、自分自身も思いますよね。何がここまでさせるのかなぁ?って。まぁ、強いてよく思うのは、一個あるのは、凄く病んでる人間とか壊れてる人間・・・精神的に。これが、僕やたら好きなんですよ。で、またそういう人間が集まるんですよね。で、それを見てると『こいつをどうにかしたい!』って気になるんですよ。それがまぁ、AV女優に対する愛だったり、色んなもんになるんですけれども、それ・・・どっから来るのかなぁ・・・。僕はね、爺様も首吊りで死んでるし、僕の家系的に非常に“キチガイ”が多いんですよ。 

―東山
はぁ・・・ 

―TJ
お袋もそうですし。で、だから何かねぇ、今思うとその・・・死んだ爺様が“そういう命の質の者を助けてやれ!”って言ってるのかなぁ?と・・・いうぐらいかな? 

―東山
はぁはぁはぁ。 

―TJ
なんかほっとけないんだよね!そう病んでる者を見ると。 

―東山
物凄く、こう・・・惹きつけられてしまうんですね? 

―TJ
ん〜・・・だから、それがまた僕の原動力と言うか、その病んでる奴がキラキラした顔になる瞬間がエクスタシーなんですよ!! 

―東山
は〜、それ凄いです! 

―TJ
ん〜・・・だから、自分が射精することより何より、その病んでる奴が生き生きした顔になる瞬間を見ると、俺はたまらない。 

―東山
もう嬉しくって・・・それが生きがいなんですか? 

―TJ
もう、生きがいなんですよねぇ・・・。その病気なんじゃないかなぁ?俺は!!(笑) 

―東山
ハッ、ハッ、ハッ、ハッ(笑) 

―TJ
逆の病気だと思う。・・・それが原動力になってるかもしれないね。 

―東山
なるほど。 

―TJ
だから、世の中が今病んでるじゃないですか!?どんどんどんどん病んでるじゃないですか!?すると、僕の中はどんどんホットになっていくわけ。逆なんですよ! 

―東山
俺の出番だって? 

―TJ
俺の出番なのかな?わかんないけど。 

―東山
もしかしたら、こう・・・神様がいるとしたらですけど、TOHJIRO監督にそういう何かを与えたのかもしれないですね?役割として。 

―TJ
うん。かもしれないですねぇ・・・。で、最近、今すごい思ってるのは、この・・・多分、2〜3年・・・そんな先じゃないですね。もう、来年も近けりゃ始まると思うんですけど、今年なんかも結構フランスなんかから、向こうのライターの人が取材に来てくれたり、ロンドンから来てくれたり、色々してるんですけど、このほんと2〜3年の内に僕は向こうへ上陸しますね。だから、アメリカもヨーロッパも、リアルエロを普及に行こうと思ってるんです。 

―東山
ぅわ〜!楽しみですねぇ〜それは!! 

―TJ
向こうってのは、全部ショーなんですよ。ショーしかポルノってないんですよ。リアルエロないんですよ。 

―東山
監督、実はあの・・・日本のAVに失望した時に外国のAVもよく見たんです。ジャンルにもよるんでしょうけど、僕が見た外国のアダルトと言うと、物凄いハイテンションで野獣のようなセックスをするじゃないですか。僕は何でこんなにテンション上げられるんだろうと思ってたんすけど、あれは国民性だと自分では思ってたんですけど、あれショーなんですか? 

―TJ
ショー。 

―東山
逆に言うと、すごいプロの人達とも言えると・・・ 

―TJ
うん。 

―東山
え〜!僕は国民性だと思ってました!それもあるでしょうけど、そうなんですか・・・。 

―TJ
もう一個ある。キリスト教が関係してる。キリスト教の中で絶対的にあるのは、“セックスってのは子供を作るためのもの”。ね?家族を作るためのものだよ。ほんとの意味で、精神的に快楽を求めちゃいけない宗教。だから、SMとかいけないんっすよ。子種を作らないものは。だから、レズとかホモとかSMっていうのは凄く捌きを受けてきたってのはそこなんですけど・・・あるんですよ。だから、その、精神的にトランス状態になるとか、おっかない事なんですよね。 

―東山
はい。 

―TJ
だから、解る部分でビジュアルピストンで『あー!あー!あー!あー!』はいいんですよ。それはスタイルだから。 

―東山
でも、その女優さん個人が自己解放なんてのはもう、問題外なんですね。ありえない・・・ 

―TJ
タブーなんですよ。 

―東山
はぁぁ〜・・・ 

―TJ
で、ちょっと面白いなと・・・ 

―東山
反応したわけですか(笑)。 

―TJ
今ものすごい反応してるの!で、その、白人の、黒人のショーをやってる子達をトランス状態にしたい!! 

―東山
アハハハッ。 

―TJ
加藤鷹と、“行こう!!”と。拘束椅子は海を渡ろう! 

―東山
凄いっすねぇ・・・それは人間である以上、国境関係ないっていう・・・それは“人間だから”って事ですね? 

―TJ
そうです。 

―東山
で、やってみたいと・・・ 

―TJ
うん。だけどそれは今僕の中に凄く渦があって、この“TOHJIRO M女SMナイト”inパリ、inベルリン、inアムステルダムでやりたい! 

―東山
凄いっすねぇ・・・。で、それを見せてくれたら僕らも、『あ、TOHJIRO監督の言ってる通りだ!』と思いますよね?『国境関係ないや』って。理屈ではそんなような気はするじゃないですか。でも、見たことがない・・・見せてくれたら検証された、と。エロイと。 

―TJ
うん。だから、単純ですよ。イチローが、松坂がメジャーリーグで頑張ってるわけじゃないですか?・・・エロもやっていいんじゃないかな?って。 

―東山
はぁはぁはぁ 

―TJ
赤い襦袢の女が凱旋門を闊歩してもいいんじゃないかな。 

―東山
それ面白いです!僕は信じますね。“きっと関係ない”って。TOHJIRO監督が人間にスポットを当てている以上、同じ人間だから、ってのはありますね。 

―TJ
いや、ビックリしたのはフランスとかヨーロッパ、ドイツでも僕のカルトファンが凄いいっぱいいる。わかったのかしら・・・ 

―東山
あの、ヴァン監督(ドグマAV監督・侍・ヴァン)も監督なられましたけど、そういう縁ですよね 

―TJ
縁ですね 

―東山
自分の国にあるもので満たされてたら、多分ドグマのは見る縁は少なかったでしょうけど・・・。へぇ〜・・・待ってるん・・・ 

―TJ
待ってるんですね。だから、これは行くべきだな、と。 

―東山
はい







【形を守る】



―TJ
まぁ、あとね、さっきも言われた別にドグマだけじゃないんですけど、僕は何かを、形を守ろうとかいう概念がないですもん。 

―東山
ん〜・・・ 

―TJ
別に何か変な言い方ですけれど、ドグマだっていつ潰してもいいんですよ。あんまりないですよ。それに対する執着が。僕が、今楽しめない。ハシャゲないんだったら、もういらないですよ。何か、形を存続することには価値を感じないですよ。僕は。今、自分が夢中に楽しめないんだったら、それでいいんじゃないんすかねぇ? 

―東山
形を守ろうとした途端に、邪魔な物が必要になって・・・ 

―TJ
なってくるじゃないですか。だから、現に今年、二村(AV監督・二村ヒトシ)が春からフリーになりましたけど、別に良いと思う。溜ちゃん(AV監督・溜池ゴロー)がフリーになった時も、僕は“やれば?”って。全然だから僕の中でないんですよ。戻りたい人は戻ってくれば良いし、出たい奴は出れば良い。“いて欲しい”ってないんですよ。あんまりないですね、それは。 

―東山
本当に格闘技だなって思いますね。つまり、団体を存続させる為に試合をするんじゃなくて、試合をしたいから団体があるだけであって、試合のためなら団体がどのような形を・・・形状が変化しても構わないっていうことですよね? 

―TJ
構わない。ただ、一つ言えるのは、ドグマの人間っていうのは真剣勝負なんで、昔の名前で出ている奴は通用しないんで、“今”なんですよ。今が、やっぱり客をホットにする物を作れなくなったら去ればいい!過去は関係ない。前良い物作っても、今が緊張感がなかったら、客はもうアウトなんですよ。シビアなんですよね。それは、女の子の名前に依存して売れるおもちゃを作れるわけじゃないんで、今のそいつが作りたい企画力で、その“エロ”で今勝負できなくなったら・・・去る!!その子が、キャリアが1年だろうが10年あろうが20年あろうが関係ないんですよ。今その打席で力を発揮できなかったら、去ればいい・・・。僕はそう思ってます。あの・・・やっぱり、過去はどうのこうの関係ない。今この瞬間。だから僕、過去は興味ないですよ。“今”作るもの、“次に”作るものがどうかが全てですよね。ここで、やっぱり客がどうかですよ。だから、さっき言われた“ボッコボコ”がね、一生懸命出し切ったのに評価があんまり得られなかった・・・いいと思うんですよ、僕は。凹む必要もない。一杯ありますよ。僕が出した作品で、すっげぇ命削ったのにまったく売れなくて・・・ありますよ!でも、自分にとって良けりゃぁいいじゃないですか?そういう意味じゃ、売上っていうのもプロである以上大事だけれども、その事より、“自分がどうだったか”が全てですよね。何も売れたものが=(イコール)全部正しいというわけじゃないんで、売れなかったから良くないとは限らなかったわけで・・・でも一つ言えるのは、何か食いつかなかった原因はあるんですよ。その事は自分の中でちゃんと肝に銘じなきゃいけないとは思うんですがね。 

―東山
はい。 

―TJ
ただ、売上が悪かったのが避難されたからよくないってのは僕は違うと思う。やっぱりね、自分が産む子供じゃないですか?優秀な子もできりゃぁ出来損ないも出来ていいじゃないですか?それで楽しいと思う。みんなが優等生で生まれちゃったらつまんないですよ!それが味じゃないですかね? 

―東山
ありがとうございます。 

―TJ
僕はそう思います。 

―東山
そうですね。 

―TJ
いいと思いますよ。売れるもんがあったり、売れないもんがあったり・・・ね。 

―東山
そうですね。僕もだからあの、これからはやっぱり今回の企画の趣旨でもあるんですけど、自分から湧き出るものをただ開放すると。開放してみて反応はまぁ色々あるでしょうけど、ただ開放するっていうことに、もう一回こう立ち返って、自分の“これがエロイと思う”“こういう作品がいいと思う”っていうのを、これからも容赦なくただ出してきゃいいんだなっていうのは、監督に言われてなるほどと思いました。だからこれからは、とりあえず自分のエネルギーを外に出してって、で、こういう活動が続けられたらいいなと思っています。 

―TJ
僕は20年やってきて、今度11月発売の、あの、デマンド時代に“TOHJIRO”ってレーベルがありましたよね? 

―東山
はい。 

―TJ
TOHJIROレーベルをドグマから復活するんですよ。 

―東山
はあ〜!! 

―TJ
これは、ジャンルは“ヤバイ”!! 

―東山
ヤバイ? 

―TJ
何でもいいんですよ。SMってカテゴリーじゃない。何でもあり。眼球でも、また臓物でも 

―東山
はい。 

―TJ
その第一弾がこれですよ。 (一枚の写真を取り出す)

―東山
あ、ウンコですか 

―TJ
これはスカトロ。初めての全編スカトロ!これタイトル「スカドン」!! 

―東山
あ、「スカドン」。知ってます! 

―TJ
これがパッケージですよ。これ大ポスターにするんですよ。また新しい僕へのチャレンジですよ! 

―東山
いや、僕思ったんですよ。監督スカトロやってこなかったじゃないですか? 

―TJ
うん 

―東山
なんでここでスカトロ持ってきたんだろうって思ってたんですよ。あの「ソドム」もびっくりしたんですけど、正直、「ゲボレズ」までは・・・イラマで嘔吐がやり出したのって、僕、TOHJIRO監督が先じゃないかって思って・・・ 

―TJ
先ですよ。もう、15年も16年も前ですね。

―東山
ですよねぇ。今、多いですよね? 

―TJ
うん。 

―東山
そこまで理解できたんです。イラマの延長線上で吐くまではあるな・・・。で、「スカドン」とか「ソドム」の時に、“あれ?監督コア(SMレーベル・CORE)作られて、こっからスカトロって何だろう?”って、ちょっと線が繋がらなかったんですけど、それは、さっき言われた“俺は何でもいいんだ”との、その、開放の・・・

―TJ
うん。手段で 

―東山
手段としてスカトロもありだと 

―TJ
この子にとってそれも必要だったら 

―東山
監督すみません、先程の女優さんは、スカトロばっかり撮ってきた人ではない・・・ 

―TJ
初めて 

―東山
初めてなんですか! 

―TJ
これが先ほど言った、いいとこのお嬢さんです。 

―東山
はぁ〜・・・。 

―TJ
彼女は、これが必要だったんですよ。ぶっ壊れるために! 

―東山
はい・・・監督の中で、壊すアイテムに、“あ、ウンコだ!”ってのがピタッときたってことですか? 

―TJ
うん。彼女が望んでたんです。 

―東山
スカトロという・・・でも、スカトロが大好きでじゃないですもんね・・・。初めてなのにスカトロってことですもんね。是非、見てみます。 

―TJ
見てください。あの・・・ウンコでほんとに人はトランス状態になれるかって事に対する実験だったんですよ。 

―東山
ん〜・・・・ 

―TJ
なれましたね。臭くてイッちゃう。全部鼻に詰めさせましたよ。“窒息プレイだ”くらいに。口にも鼻にも全部糞入れちゃって!! 

―東山
あの、ウンコは僕ら毎朝するわけですけど、ここにウンコがあったら“うわ!いや!くさい!”ですよね?でも、鼻に入ったりなんなりする世界って、臭いとかそういうものじゃないですよね・・・。もう、いわゆる“対象のウンコ”じゃなくて、ウンコ自体になっちゃうわけですから・・・ 

―TJ
なっちゃう 

―東山
いわゆる僕らが毛嫌いするウンコと違うものですよね。 

―TJ
うん。違う。もうそれが“嬉しいもの”になっちゃってるから。だから、ゲロを飲みあって“美味しい”って“嬉しい”ってなったと限りなく近いですよね。 

―東山
はぁ〜・・・。トランスの手段もどんどんTOHJIRO監督は提供していきますねぇ 

―TJ
いきますねぇ。今度ね、11月にAVグランプリが2回目があるんですよ。 

―東山
はい。 

―TJ
それに出展する作品がこれなんですよ。 

―東山
はぁ。 

―TJ
これですよ♪“ゲロ浣腸エクスタシー”今回、タイトルX(エックス)なんですよ。まゆら(ドグマ専属女優・星月まゆら)と大沢(AV女優・大沢佑香)です。ソドムを越えてるやつですよ! 

―東山
へぇ〜・・・ゲロと浣腸、上も下もですか・・・(笑)で、トランスなんですか!? 

―TJ
そうなんです。 

―東山
まったく想像を絶する・・・ 

―TJ
これで僕は行こうと思うんですよ。S−1(AVメーカー・S−1ナンバーワンスタイル)を。 

―東山
あぁ 

―TJ
打倒S−1なんです。 

―東山
アハハハ!(笑) 

―TJ
美少女単体をゲロミサイルで粉砕しようと思って。X(エックス)で!X(エックス)!! 

―東山
カッコいいです!! 

―TJ
カッコいいですか? 

―東山
この作品で、S−1に対抗していくTOHJIRO監督が! 

―TJ
もう、打倒S−1なんですよ。『なめるな馬鹿ヤロウ』と。






【TOHJIRO監督の癖】



―東山
あの、僕みたくこう・・・スカとかがない人間からしたら、やり過ぎてると思うんですよ。それがいいんですよね。“やりすぎてるよ〜TOHJIRO監督!”っていう人がいなかったら、全然AVコーナーが面白くない!監督はでも・・・そもそもスカがあるわけじゃないんですよね?元々スカトロは大丈夫だったんですか? 

―TJ
大丈夫ですねぇ。 

―東山
もう、最初っからわりと大丈夫でした?スカトロ自体“撮る”事は 

―TJ
うん。全然問題ないです。 

―東山
あぁ、でしたらわかりました。 

―TJ
だって、内臓が好きなんですからw 

―東山
内臓っすか!?はぁ〜・・・ 

―TJ
僕は“臓器マニア”ですから。 

―東山
怖いっすねぇ。(笑) 

―TJ
ハンニバルですから!レクター教授に近いですからねぇ〜。 

―東山
ハハハッ!(笑) 

―TJ
“解体マニア”だったり、“眼球マニア”だったり、 

―東山
あぁ、それはもう僕全くだめですねぇ。監督は好きなんですね。 

―TJ
新鮮な艶のある臓器が好きなんですよね。で、そういうのはラバーだとかあぁいうエナメルにもくるんですよね。 

―東山
はぁはぁはぁ・・・。 

―TJ
でもわからないですねぇ、でも、ほんとにちっちゃい頃になんですかねぇ・・・ヒーロー物とか見て女の子がさらわれたりするじゃないですか?で、どんどん水がこうやって増えてって、窒息しそうにこうやって溺れていきますよね?あぁいう場面あるじゃないですか。 

―東山
はい。 

―TJ
チンコ立つんですよ! 

―東山
はぁ〜・・・ 

―TJ
で、やっぱ子供の頃からそうなんですねぇ・・・ 

―東山
そうですね。そういうのはありますね。ちっちゃい頃の・・・ 

―TJ
うん。ありますね。だから、そういう女の子が囚われて縛られて、こっち電動ノコギリが回ってて、ビィィ〜〜〜〜!! 

―東山
はいはい。 

―TJ
で、ヒーローが来て助けちゃうじゃないですか? 

―東山
はい。 

―TJ
助けるなと思っちゃう! 

―東山
ハハハッ!(笑) 

―TJ
グチャグチャになってしまえ〜〜〜!! 

―東山
ここから良いところだっていう・・・ 

―TJ
もう、それを思うとチンコ立つんですから! 

―東山
僕はあの〜・・・自分でもなんか歪んでるなと思うのは、あの、きちっとした女性ですね・・・社会人としてもちゃんとしてて、立場もOLじゃなしに、もしかしたら部長とか課長とかなれるような、キャリアウーマン、大人の女性だと。品もある女性を悲しませるっていうのにはちょっと興奮します。 

―TJ
興奮するぞ。 

―東山
そういう精神的に、苛めるの僕は好きみたいです。だから、ちょっとSみたいですね僕は・・・でも、監督のは凄いですね(笑) 

―TJ
(笑) 

―東山
“そこで助けるんじゃねぇ!”っていう・・・。結構ちっちゃい時から思ってたんですか? 

―TJ
うん・・・。 

―東山
それはもう、生まれ持ったものですよね・・・。 

―TJ
まぁ、幼稚園の時、一番初恋のすっごく目がぱっちりしたフランス人形みたいな子を好きになったんですけど、その子の背中に毛虫を入れて、その子が狂ったように泣きじゃくったらビンビンでしたから! 

―東山
はぁはぁ。 

―TJ
大好きだったんですよ。なのに、何故か毛虫を入れた。で、泣いたらもっと興奮したから、やっぱりあったんでしょうね・・・。ちっちゃい頃から。 

―東山
そうですね 

―TJ
そういう癖(ヘキ)がねぇ。 

―東山
そういうのは、もうちっちゃい頃に決まるもんなんだと思います。うん。 

―TJ
だと思いますね。 




夢中で話す私をじっと見つめる監督。
何処の馬の骨かもわからない私に対して、真剣に、そして同じ目線なのだ。
その真摯な眼差しに、人間としての大きさを感じた。

監督は、始終、静かな語り口だったが
作品について話が及ぶと、それは強烈に重く、熱いものとなる。
“こういう人を本当のディレクターというんだ”・・・。
私にとって、監督との対話には生きるヒントが沢山隠れていた。




―東山
これからも、ますます僕らを楽しませて頂けるんだなってわかりました!期待してます。僕もまた頑張りますんで! 

―TJ
はい、頑張って。何かまたあったら連絡下さい。 

―東山
もう、すっごい楽しかったです。今日は本当にありがとうございました! 

―TJ
こちらこそ、ありがとう。



「表現の太陽」第一回ゲスト・TOHJIRO監督 END

●TOHJIRO●

1956年生まれ AV監督 AVメーカー・ドグマ総帥。

本物を追い求める妥協なき“拘り”で、業界をリードし衝撃を与え続けるAV界の鬼才!!
代表作に「青い性欲」「Mドラック」「拘束椅子」シリーズなど多数。


詳細はドグマ公式HPへ




東山誠BRANDの最新情報をお知らせします。

inserted by FC2 system